60歳の男性。2型糖尿病。身長170 cm、体重90 kg。心肺運動負荷試験を行ったところ最高酸素摂取量が2,625 mL/分であり、この60 %相当の運動強度を処方された。METsで適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
最高酸素摂取量2,625 mL/分の60%は、2,625×0.6=1,575 mL/分です。体重90 kgで割ると1,575÷90=17.5 mL/kg/分となり、1 MET=3.5 mL/kg/分なので17.5÷3.5=5 METsです(公式正答4)。
選択肢ごとの解説
- 1. 計算すると5 METsであり、8 METsではありません。選びやすい理由:運動強度の指標としてMETsが選択肢に提示されており、何となく選択してしまいがちですが、具体的な計算に基づいた値ではありません。混同注意:運動処方におけるMETsの概念は理解しているものの、計算方法や基準値との混同があるかもしれません。
- 2. 計算すると5 METsであり、7 METsではありません。選びやすい理由:キリの良い数字であり、計算ミスや概算で選んでしまう可能性があります。混同注意:安静時酸素摂取量と運動時の酸素摂取量の関係性に関する計算を誤る可能性があります。
- 3. 計算すると5 METsであり、6 METsではありません。選びやすい理由:計算に近い値であるため、わずかな計算ミスや四捨五入の誤解から選択してしまう可能性があります。
- 4. 正解。2,625×0.6=1,575 mL/分、1,575÷90=17.5 mL/kg/分、17.5÷3.5=5 METsです。選びやすい理由:他の選択肢と比べて、計算結果として導き出された値が近いと感じるかもしれません。
- 5. 計算すると5 METsであり、4 METsではありません。選びやすい理由:一般的な計算方法で導き出される値であるため、正しいと判断しやすいです。混同注意:公式正答が計算結果と異なる場合、自分の計算が間違っているのではないかと混乱する可能性があります。
国試ポイント
心肺運動負荷試験(CPX)で得られた最高酸素摂取量(VO2max)から、運動処方における目標運動強度をMETsで算出する能力が問われています。特に、絶対的な酸素摂取量(mL/分)を体重あたりの酸素摂取量(mL/kg/分)に変換し、さらにMETs(1 MET = 3.5 mL/kg/分)に換算する一連の計算過程を正確に行うことが重要です。安静時酸素摂取量(1 MET)の定義とその応用を理解しているかどうかが鍵となります。
混同注意
安静時酸素摂取量の基準値(1 MET = 3.5 mL/kg/分)の誤解や、酸素摂取量を体重で補正するステップの忘れ、または計算ミスの可能性が高いです。また、問題文中の「最高酸素摂取量」が絶対量(mL/分)で示されているのか、相対量(mL/kg/分)で示されているのかの解釈を誤ると、その後の計算も全て狂ってしまいます。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出題された場合、まず与えられた酸素摂取量が絶対量(mL/分)か相対量(mL/kg/分)かを明確に確認する。次に、目標とする運動強度が何パーセントに設定されているかを正確に把握し、目標酸素摂取量を計算する。最後に、目標酸素摂取量を体重で割って相対量にし、1 MET = 3.5 mL/kg/分でMETsに換算するプロセスを丁寧に行うことが重要です。また、解答選択肢に自分の計算結果とぴったりのものがない場合は、小数点以下の扱い方や、問題文に隠された特定の換算係数がないか再検討する必要があるかもしれません。
関連知識
運動処方の基本原則、FITT原則、CPXによる運動耐容能評価、糖尿病患者に対する運動療法のガイドライン、エネルギー消費量の計算(kcal/分、METs、VO2)、安静時・運動時の生理的反応。