半月板損傷の診断に有用なテストはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
ApleyテストとMcMurrayテストは、いずれも膝関節の半月板損傷を評価するために広く用いられる徒手検査です。Apleyテストは軸圧と回旋ストレスを、McMurrayテストは屈曲位から伸展位への動きと回旋ストレスを用いて、損傷した半月板に負荷をかけ、症状の誘発を確認します。これに対し、Elyテストは大腿直筋の短縮、Lachmanテストは前十字靭帯損傷、Patrickテストは股関節または仙腸関節の機能評価にそれぞれ特化しています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。Apleyテストは、膝関節の屈曲位で脛骨を軸圧しながら内外旋させることで、半月板への刺激を加え、疼痛やクリックの有無を確認します。特に半月板損傷の診断に特化したテストの一つです。選びやすい理由:他の膝関節の疾患評価に用いられるテストと混同しやすいですが、半月板損傷の診断に極めて重要です。混同注意:Lachmanテスト(ACL損傷)、Patrickテスト(股関節疾患)など、他の膝や股関節のテストと混同することがあります。
- 2. Elyテストは、大腿直筋の短縮(拘縮)を評価するためのテストであり、半月板損傷の診断には直接的に用いられません。正しくは:このテストは、股関節伸展位で膝関節を屈曲させた際に、股関節が屈曲してしまうかどうかで大腿直筋の短縮を評価します。選びやすい理由:膝関節に関連するテストであるため、選択肢として紛らわしく感じられる可能性があります。混同注意:他の膝関節疾患の評価テストや、大腿四頭筋に関連するテストと混同しやすいです。
- 3. Lachmanテストは、前十字靭帯(ACL)損傷の有無を評価するための徒手検査であり、半月板損傷の診断には直接関連しません。正しくは:このテストでは、膝関節を軽度屈曲位で保持し、大腿骨を固定して脛骨を前方に引き出すことで、ACLの安定性を確認します。選びやすい理由:これも膝関節のテストであり、膝の損傷全般を評価するテストと誤解されがちです。混同注意:半月板損傷のテスト(Apley, McMurray)や、PCL損傷のテスト(後方引き出しテスト)と混同しやすいです。
- 4. 正解。McMurrayテストは、膝関節の屈曲位から伸展させながら脛骨を内外旋させることで、損傷した半月板を関節面に挟み込み、疼痛やクリック音の発生を確認します。半月板損傷の診断において非常に重要なテストです。選びやすい理由:Apleyテストと同様に、半月板損傷に特化したテストであり、鑑別を要する他の膝関節疾患のテストと見分けにくいことがあります。混同注意:Apleyテストと同様に、他の膝関節のテスト、特に靭帯損傷のテストと混同しやすいです。
- 5. Patrickテストは、股関節の疾患(特に変形性股関節症や仙腸関節障害など)を評価するためのテストであり、半月板損傷の診断には用いられません。正しくは:このテストでは、片方の足関節をもう一方の膝に載せ、股関節を屈曲・外転・外旋させた状態で膝をベッドに近づけることで、股関節や仙腸関節の動きを確認します。選びやすい理由:下肢に関連するテストであるため、膝関節のテストと誤認される可能性があります。混同注意:膝関節の痛みと股関節の痛みが混在する場合があるため、膝のテストと勘違いしやすいです。
国試ポイント
この問題は、膝関節の主要な徒手検査の中から、半月板損傷に特異的なものを識別できるかを確認しています。各検査の目的と陽性所見を正確に理解していることが求められます。特に、膝関節周囲には多くの靭帯や筋があり、それぞれ異なる損傷や状態を評価するテストが存在するため、それぞれの検査の対象を明確に区別する知識が重要です。
混同注意
膝関節の徒手検査は非常に多く、ACL損傷(Lachman,前方引き出し)、PCL損傷(後方引き出し)、側副靭帯損傷(外反・内反ストレス)、半月板損傷(Apley, McMurray)など、目的が異なるテストが数多くあります。また、股関節の疾患を評価するテストも下肢の痛みに関連するため混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、他の膝関節周囲の構造(靭帯、軟骨、腱など)の損傷や機能不全を評価するための徒手検査について、それぞれの検査の名称、目的、実施方法、陽性所見が正確に結びついているかを確認する必要があります。特に、同じ部位の疾患でも原因が異なる場合の鑑別診断に用いられる検査に注目しましょう。
関連知識
膝関節の解剖学(半月板、靭帯の構造と機能)、膝関節のバイオメカニクス、各種徒手検査の実施方法と陽性所見の意味、鑑別診断のプロセス。