血糖を上昇させる作用のあるホルモンはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
アドレナリンは、交感神経刺激によって副腎髄質から分泌され、肝臓でのグリコーゲン分解を促進することで血糖値を迅速に上昇させます。これは緊急時などのエネルギー供給を確保するための生体反応の一部です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アドレナリンは、ストレス応答時に肝臓でのグリコーゲン分解を促進し、ブドウ糖の放出を増加させることで血糖値を上昇させます。
- 2. アルドステロンは、腎臓におけるナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進し、血圧調節に関与するミネラルコルチコイドです。血糖値の直接的な上昇作用はありません。正しくは:アルドステロンは血圧や電解質バランスを調整します。選びやすい理由:ホルモンであるため、他の内分泌系の作用と混同しやすいかもしれません。混同注意:血糖調節に関わるインスリンやグルカゴン、副腎皮質ホルモン(コルチゾールなど)と混同しやすいです。
- 3. カルシトニンは、血中のカルシウム濃度が高いときに分泌され、骨へのカルシウム沈着を促進して血中カルシウム濃度を低下させる作用があります。血糖値には直接作用しません。正しくは:カルシトニンは血中カルシウム濃度を低下させます。選びやすい理由:内分泌系のホルモンとして選択肢に並んでいるため、機能が分かりにくい場合に選んでしまう可能性があります。混同注意:血糖調節に関わるホルモンや、甲状腺から分泌される他のホルモン(甲状腺ホルモン)と混同しやすいです。
- 4. パラトルモン(副甲状腺ホルモン)は、血中のカルシウム濃度が低いときに分泌され、骨からのカルシウム放出や腎臓での再吸収を促進して血中カルシウム濃度を上昇させます。血糖値には直接作用しません。正しくは:パラトルモンは血中カルシウム濃度を上昇させます。選びやすい理由:カルシトニンと同じく、カルシウム代謝に関わるホルモンであり、名称が似ているため混乱を招く可能性があります。混同注意:血糖調節に関わるホルモンや、カルシトニンと作用が対比されるため、その違いが不明確な場合に誤りやすいです。
- 5. プロラクチンは、主に乳腺の発育や乳汁の産生・分泌を促進するホルモンです。血糖値の直接的な上昇作用はありません。正しくは:プロラクチンは乳汁の産生・分泌を促進します。選びやすい理由:下垂体から分泌されるホルモンであるため、その多岐にわたる作用の一部として血糖への影響があると考えてしまうかもしれません。混同注意:成長ホルモンなど、他の下垂体ホルモンの一部が持つ血糖上昇作用と混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、主要なホルモンとその生理作用、特に血糖調節に関わるホルモンの知識を問うものです。複数のホルモンが提示され、その中から特定の機能を持つものを選ぶ形式は頻出です。それぞれのホルモンがどの臓器から分泌され、どのような主要なターゲット器官に作用し、どのような生理的変化を引き起こすのかを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
インスリン、グルカゴン、コルチゾールなど、血糖調節に直接関わる他のホルモンとの作用の違い。また、他の副腎皮質ホルモン(アルドステロン、コルチゾール)との違いも混同しやすい点です。
次に同じ論点が出たら
次回同様の論点が出題された場合、選択肢に血糖調節に関わる主要なホルモン(グルカゴン、インスリン、コルチゾールなど)が含まれているか、あるいは他の内分泌腺から分泌されるホルモンの作用が正しく対比されているかに注目する。特に、『上昇させる』のか『低下させる』のかという作用の方向性を正確に判別することが重要です。
関連知識
血糖値を上昇させるホルモンには、アドレナリンの他に、グルカゴン(膵臓)、コルチゾール(副腎皮質)、成長ホルモン(下垂体前葉)、甲状腺ホルモン(甲状腺)などがあります。逆に血糖値を低下させるホルモンはインスリン(膵臓)です。これらのホルモンの分泌臓器、作用機序、主な標的器官をセットで理解することが必要です。