排便機構で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
外肛門括約筋は随意筋であり、陰部神経によって支配されています。これにより、人は意識的に排便を制御することが可能です。この知識は排便機構における随意と不随意の制御を理解する上で重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 排便中枢は主に仙髄(S2-4)に存在し、さらに上位の中枢(脳幹、大脳皮質)によっても調節されます。正しくは:排便中枢は仙髄(S2-4)に存在します。選びやすい理由:脊髄に排便中枢があることは知っていても、具体的な位置(胸髄か仙髄か)を混同しやすいです。混同注意:他の自律神経中枢(例えば、心臓の交感神経中枢は胸髄にある)と混同しやすいです。
- 2. 正解。外肛門括約筋は横紋筋であり、体性神経である陰部神経(S2-4)の支配を受けて随意的に収縮・弛緩を制御できます。これにより、排便のタイミングを調節することが可能です。
- 3. 結腸における逆蠕動運動は主に横行結腸から上行結腸にかけて見られ、水分吸収のために内容物の通過速度を遅らせる働きをします。下行結腸では、主に内容物を直腸方向へ送る順行性の蠕動運動が優位になります。正しくは:上行結腸や横行結腸では逆蠕動運動がみられます。選びやすい理由:結腸に逆蠕動運動が存在すること自体は事実であるため、具体的な部位を誤認しやすいです。混同注意:結腸の各部位で蠕動運動の特性が異なる点や、胃や小腸の蠕動運動の知識と混同しやすいです。
- 4. 胃が拡張することで、胃・結腸反射(胃結腸反射)が誘発され、結腸の蠕動運動が促進されますが、これは便意を『直ちに』引き起こすものではなく、数時間後の排便準備を促す生理的な反応です。正しくは:食事によって胃が拡張すると、結腸の蠕動運動が亢進します。選びやすい理由:胃・結腸反射の存在は事実であるため、その結果が即座の便意に直結すると誤解しやすいです。混同注意:直腸に便が到達することによる便意と、胃・結腸反射による腸管運動亢進を混同しやすいです。
- 5. 内肛門括約筋は平滑筋であり、自律神経に支配されています。副交感神経(骨盤内臓神経)が興奮すると内肛門括約筋は弛緩し、排便が促されます。逆に、交感神経(下腹神経)が興奮すると収縮します。正しくは:内肛門括約筋は、副交感神経の緊張で弛緩します。選びやすい理由:自律神経の関与は正しいが、交感神経と副交感神経の作用を混同しやすいです。混同注意:膀胱の排尿筋(副交感神経で収縮)など、他の平滑筋の自律神経支配と混同しやすいです。
国試ポイント
排便機構に関する問題は、排便中枢の位置、各括約筋の神経支配(特に自律神経と体性神経の違い)、そして排便を促す反射や腸管運動の種類と部位の知識が頻繁に問われます。随意的な制御と不随意的な制御の区別が特に重要です。
混同注意
自律神経(交感神経・副交感神経)と体性神経(陰部神経)の支配の違い、およびそれぞれが内肛門括約筋と外肛門括約筋にどのような作用を及ぼすかという点が混同されやすいです。また、排便中枢の位置や、胃・結腸反射と便意の関係性も誤解されやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、排便中枢の具体的な場所(仙髄)や、内肛門括約筋と外肛門括約筋それぞれの神経支配と作用を正確に把握しているかを問う問題が予想されます。特に、直腸壁の伸展による排便反射のメカニズムと、随意的な排便抑制のメカニズムを深く理解しているかが問われるでしょう。
関連知識
排尿機構(膀胱括約筋の神経支配)、胃・結腸反射の詳細、結腸の各部位の機能、自律神経系の全般的な知識、神経支配と筋肉の種類(平滑筋・横紋筋)の関連。