図の装具で治療する疾患はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
リーメンビューゲル装具は、乳児の発育性股関節形成不全(先天性股関節脱臼)の保存的治療において第一選択となる装具です。股関節を安定した屈曲・外転位に保持し、大腿骨頭の臼蓋内での適切な発育を促します。他の選択肢の疾患は、リーメンビューゲル装具の主要な適応疾患ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 脳性麻痺は中枢神経系の損傷による運動機能障害であり、痙性やアテトーゼなどの症状が特徴です。股関節脱臼を合併することもありますが、リーメンビューゲル装具は脳性麻痺自体の治療や、痙性による股関節脱臼の予防・治療の第一選択ではありません。正しくは:脳性麻痺に伴う股関節脱臼に対しては、アブミ型装具や手術などが検討されることがありますが、リーメンビューゲルは直接的な治療装具ではありません。選びやすい理由:乳幼児期の疾患であり、股関節脱臼を合併する可能性があるため、関連性を感じてしまうかもしれません。混同注意:発育性股関節形成不全と、乳幼児期に股関節に問題が生じる他の疾患を混同しやすいです。
- 2. Down症候群は染色体異常による症候群で、筋緊張低下や関節弛緩性を特徴とします。これにより股関節の不安定性を伴うことはありますが、リーメンビューゲル装具が主要な治療法として選択されることは稀です。正しくは:Down症候群に伴う股関節の不安定性に対しては、その重症度に応じて理学療法や、場合によっては手術的介入が検討されます。選びやすい理由:先天性の疾患で、関節の不安定性というキーワードから股関節に関連する装具を連想してしまうかもしれません。混同注意:股関節の弛緩性がある疾患全般と、リーメンビューゲルの特定の適応疾患を混同しやすいです。
- 3. 先天性内反足は、足関節と足部が内転・内反・底屈位に変形する疾患です。これは足部・足関節の異常であり、股関節の治療に用いられるリーメンビューゲル装具とは全く異なる部位の疾患です。正しくは:先天性内反足の治療には、ポンスティ法やギプス固定、装具療法(例:デニスブラウン装具)などが用いられます。選びやすい理由:「先天性」という言葉と「変形」というキーワードで、乳幼児期の整形外科疾患全般として関連付けてしまいやすいかもしれません。混同注意:股関節疾患と足部疾患を混同しやすいです。
- 4. 筋ジストロフィーは進行性の筋力低下を主症状とする遺伝性疾患です。リーメンビューゲル装具は股関節の整復位保持を目的とした装具であり、筋ジストロフィーの根本治療や筋力低下の進行を止めるものではありません。正しくは:筋ジストロフィーの治療は、進行抑制や合併症の管理が中心であり、呼吸管理、装具療法(例:AFOによる足関節拘縮予防)、リハビリテーションなどが含まれます。選びやすい理由:装具療法が用いられる疾患であるという点で、誤って選んでしまう可能性があります。しかし、その装具の目的と種類が異なります。混同注意:装具療法が用いられる疾患全般と、特定の装具の適応疾患を混同しやすいです。
- 5. 正解。発育性股関節形成不全(旧称:先天性股関節脱臼)は、乳児期の股関節の不安定性や脱臼・亜脱臼を特徴とする疾患です。リーメンビューゲル装具は、股関節を屈曲・外転位に保持することで大腿骨頭を臼蓋に誘導し、安定した成長を促すための代表的な治療装具です。
国試ポイント
装具の名称、形態、そしてその主要な適応疾患を正確に結びつける知識が問われる典型的な問題です。特にリーメンビューゲル装具は、理学療法士国家試験において頻繁に出題される重要な装具の一つです。
混同注意
乳幼児期に発生する様々な整形外科的疾患や神経学的疾患、また装具療法が用いられる他の疾患と、リーメンビューゲル装具の特定の適応疾患を混同しやすい傾向があります。特に、股関節の不安定性を伴う他の疾患と区別する能力が求められます。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出題された場合、他の代表的な装具(例:デニスブラウン装具、短下肢装具など)の適応疾患を問う問題や、発育性股関節形成不全の病態、診断方法、理学療法における評価・介入方法について問われる可能性があります。
関連知識
リーメンビューゲル装具の構造と機能、装着時のポジショニング(股関節の屈曲・外転角度)、装着期間、合併症(大腿骨頭壊死など)とその予防、発育性股関節形成不全の診断基準(超音波検査、レントゲン検査)、他の治療選択肢(牽引療法、ギプス固定、手術など)。