Guillain-Barré症候群の初期症状で特徴的なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ギラン・バレー症候群は自己免疫性の末梢神経疾患であり、その特徴的な初期症状は、下肢の遠位部(末端)から始まる筋力低下(上行性麻痺)です。この筋力低下は急速に進行し、数日〜数週間で全身に及ぶことがあります。しばしば、感覚障害や深部腱反射の消失・減弱も伴います。
選択肢ごとの解説
- 1. ギラン・バレー症候群の初期に体重減少は典型的ではありません。むしろ筋力低下による活動量低下に伴い、二次的に体重が増加したり、嚥下障害が重度であれば体重減少が見られることもありますが、初期特徴ではありません。正しくは:ギラン・バレー症候群の初期に著しい体重減少は一般的ではない。選びやすい理由:神経疾患全般で食欲不振や活動性低下による栄養状態の変化が起こる可能性から、選択肢として考慮してしまうかもしれない。混同注意:悪性腫瘍や慢性消耗性疾患でみられる症状と混同しやすい。
- 2. ギラン・バレー症候群は神経系の疾患であり、関節痛は主要な症状ではありません。神経根の炎症による背部痛や下肢痛を訴えることはありますが、「激しい関節痛」とは異なります。正しくは:ギラン・バレー症候群の初期に耐えがたいほどの関節の痛みは一般的ではない。神経根症状として背部痛や下肢痛が見られることはある。選びやすい理由:多くの疾患で痛みが伴うため、一般的な症状として選んでしまいやすい。混同注意:関節リウマチや変形性関節症などの関節疾患と混同しやすい。
- 3. ギラン・バレー症候群の初期に突然の視覚障害は一般的ではありません。脳神経障害としては顔面神経麻痺や外眼筋麻痺による複視がみられることはありますが、視力そのものの低下は稀です。正しくは:ギラン・バレー症候群の初期に急な視力低下や失明は一般的ではない。脳神経障害として複視は見られることがある。選びやすい理由:脳神経症状が起こる疾患と混同し、視覚障害も含まれると考えてしまう可能性がある。混同注意:多発性硬化症など、他の神経疾患の症状と混同しやすい。
- 4. ギラン・バレー症候群と皮膚の色素沈着には直接的な関連はありません。これは内分泌疾患や皮膚疾患などで見られる症状です。正しくは:ギラン・バレー症候群の初期に皮膚の色素沈着はみられない。選びやすい理由:病気の兆候として皮膚症状が現れることがあるため、関連付ける可能性がある。混同注意:アジソン病や慢性湿疹後の色素沈着など、他の疾患の症状と混同しやすい。
- 5. 正解。ギラン・バレー症候群は、通常、下肢の遠位(足先など)から始まり、上行性に体幹や上肢へと筋力低下が進行していくのが特徴的な初期症状です(上行性麻痺)。正しくは:この選択肢は正しい。選びやすい理由:特に無し。疾患の典型的な症状を理解していれば正答できる。混同注意:近位筋から始まる筋力低下(例:多発性筋炎)と混同しないように注意が必要。
国試ポイント
ギラン・バレー症候群の病態生理と、それに伴う典型的な症状、特に初期症状としての上行性麻痺(遠位中心の筋力低下)を理解しているかが問われる。他の神経疾患の症状との鑑別も重要。
混同注意
多発性硬化症、重症筋無力症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など、他の神経筋疾患の症状(特に筋力低下のパターンや進行速度)と混同しやすい。近位筋優位の筋力低下をきたす疾患(例:多発性筋炎、筋ジストロフィー)との鑑別も必要。
次に同じ論点が出たら
今後、ギラン・バレー症候群の論点が出題された場合、症状の進行パターン(上行性麻痺)、合併症(呼吸筋麻痺、自律神経症状)、診断基準、治療法(免疫グロブリン療法、血漿交換療法)などが問われる可能性がある。また、他の神経筋疾患との症状の比較・鑑別問題も想定される。
関連知識
ギラン・バレー症候群では、筋力低下の他に、しびれや感覚鈍麻などの感覚障害、深部腱反射の消失・減弱、自律神経症状(血圧変動、不整脈、発汗異常など)、重症例では呼吸筋麻痺をきたすことがある。多くは先行感染(カンピロバクター感染など)の後に発症する。