NRS〈numerical rating scale〉で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
NRS(Numerical Rating Scale)は、痛みの程度を0から10までの数値で示す尺度です。この数値は、痛みの強さに応じて順序付けられますが、各数値間の間隔が等しいことを保証するものではないため、『順序尺度』に分類されます。これは、痛みの『強さ』を評価するものであり、痛みの性質を評価するものではありません。また、患者個人の主観に基づくため、主に同一患者内での変化の評価に用いられ、幼児への適用は困難です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。NRSは痛みの程度の順序を示すものであり、各数値間の間隔が常に等しいわけではないため、順序尺度に分類されます。これは、痛みの『強さ』を数値で表現するスケールであり、数値が高いほど痛みが強いことを示しますが、『2』と『4』の差が『6』と『8』の差と同じ強さの差であるとは限りません。
- 2. NRSは通常、0(痛みなし)から10(想像できる最大の痛み)までの11段階で評価されます。正しくは:NRSは通常、0から10までの11段階で評価されます。選びやすい理由:『10段階』という表現が、『0から10まで』という範囲を指していると誤解しやすい。しかし、厳密には『0』を含めると11段階であるため、不正確です。混同注意:『10段階』と『0から10までの11段階』の区別。またはVAS(Visual Analog Scale)など他の評価スケールとの混同。
- 3. NRSは痛みの『程度』や『強度』を評価するスケールであり、痛みの性質(例:ズキズキする、チクチクするなど)を詳細に評価するものではありません。痛みの性質を評価するには、フェイススケール(FPS-R)や日本語版McGill疼痛質問票(JM-PQ)などが適しています。正しくは:NRSは痛みの程度や強度を評価するために使われます。選びやすい理由:痛みの評価全般に使われるため、性質も評価できると誤解しやすい。混同注意:NRSと、痛みの性質や種類を評価する他の質問票(例: McGill Pain Questionnaire, DN4など)との混同。
- 4. NRSは主観的な尺度であり、同じ数値でも患者によって感じ方が異なるため、異なる患者間での厳密な比較は困難です。主に、同一患者における治療前後の変化を評価するのに適しています。正しくは:NRSは主に同一患者における痛みの経時的変化の評価に有効です。選びやすい理由:数値で表されるため、客観的に比較できると錯覚しやすい。混同注意:客観的なバイオマーカーや生理学的指標による評価との混同。また、統計的な集団比較と個別の患者比較の違い。
- 5. NRSは、数字の概念を理解できる成人や学童期以降の小児に適用されます。幼児には、表情や行動を観察するFLACCスケールや、顔の表情を用いたWong-Baker FACES Pain Rating Scaleなどが用いられます。正しくは:NRSは数字の概念を理解できる成人や学童期以降の小児の痛評価に使用されます。選びやすい理由:子どもの痛み評価にも何らかのスケールが使われるため、NRSもその一つだと誤解しやすい。混同注意:NRSと、幼児向けに開発されたWong-Baker FACES Pain Rating ScaleやFLACCスケールなどとの混同。
国試ポイント
NRSの尺度の種類(順序尺度)、評価範囲(0-10の11段階)、評価対象(痛みの強度)、適用対象(成人・学童期以降)、および限界(患者間の比較の難しさ、性質評価の不可)について問われる。特に尺度の種類と評価範囲は頻出。
混同注意
VAS(Visual Analog Scale)との違い(NRSは離散的な数値、VASは連続的な線)、フェイススケール(Wong-Baker FACES Pain Rating Scaleなど)との適用年齢の違い、定量的尺度(間隔尺度、比例尺度)との混同。
次に同じ論点が出たら
NRSの定義、評価方法、適用範囲、利点と欠点、そして他の痛み評価尺度との比較を理解しているか。特に尺度の種類が理解できているかが重要。
関連知識
VAS(Visual Analog Scale)、Wong-Baker FACES Pain Rating Scale、FLACCスケール、日本語版McGill疼痛質問票(JM-PQ)、痛みの分類(侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛など)、尺度の種類(名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度)。