運動学習におけるパフォーマンスの知識はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
運動学習におけるフィードバックは、大きく分けて「結果の知識(Knowledge of Result: KR)」と「パフォーマンスの知識(Knowledge of Performance: KP)」の2種類があります。結果の知識(KR)は、運動の結果(例:的中の有無、タイム、得点)に関する情報であり、目標達成の有無や程度を示します。一方、パフォーマンスの知識(KP)は、運動の遂行方法やフォーム(例:関節角度、動作の軌跡、筋活動パターン)に関する情報であり、運動そのものの質を改善するために重要です。選択肢1〜4はすべて運動の結果に関する情報であるためKRに該当します。選択肢5の「宙返りの空中姿勢」は、運動の過程である空中での身体の動き、つまり運動の質そのものに関する情報であり、KPに該当します。
選択肢ごとの解説
- 1. フィギュアスケートの演技点は、運動の結果として与えられる外部からの評価であり、「結果の知識(KR)」に分類されます。これは、特定の目標に対する達成度を示す情報です。正しくは:これは「結果の知識(KR)」である。選びやすい理由:得点という具体的なフィードバックなので、学習に役立つ情報として選びやすいが、これはパフォーマンスそのものではなく、結果に対する評価であるため誤り。混同注意:「結果の知識(KR)」と「パフォーマンスの知識(KP)」
- 2. ストライク判定は、投球の結果(ボールがストライクゾーンを通過したか否か)に対する二値的なフィードバックであり、「結果の知識(KR)」に該当します。目標達成(ストライク)か否かを示す情報です。正しくは:これは「結果の知識(KR)」である。選びやすい理由:すぐに得られる具体的なフィードバックであるため、学習に直結するように見えるが、これも投球動作そのものの情報ではなく、その結果に対する情報である。混同注意:「結果の知識(KR)」と「パフォーマンスの知識(KP)」
- 3. 平泳ぎのタイムは、水泳という運動の結果として計測される数値であり、「結果の知識(KR)」です。どれだけ速く泳げたかという、運動目標の達成度を示す情報です。正しくは:これは「結果の知識(KR)」である。選びやすい理由:タイムという客観的な指標であるため、学習の成果として直接的な情報に思えるが、これは運動の結果を示すものであり、運動の質そのものではない。混同注意:「結果の知識(KR)」と「パフォーマンスの知識(KP)」
- 4. ゴール数は、サッカーという運動の結果として記録される数値であり、「結果の知識(KR)」に分類されます。目標(得点)達成の有無や程度を示す情報です。正しくは:これは「結果の知識(KR)」である。選びやすい理由:ゴールという具体的な目標達成を示すため、学習効果の指標として捉えられやすいが、これは行為の結果であり、個々の動作の質に関する情報ではない。混同注意:「結果の知識(KR)」と「パフォーマンスの知識(KP)」
- 5. 正解。宙返りの空中姿勢は、運動の実行中に観察される動作そのものの質に関する情報です。これは「パフォーマンスの知識(KP)」に該当し、どのように運動が実行されたか、フォームや動きの正確さなど、運動過程に焦点を当てたフィードバックです。
国試ポイント
運動学習におけるフィードバックの種類(結果の知識とパフォーマンスの知識)の違いを正確に理解しているか。具体的な例を通して、それぞれの概念を区別できるかが問われている。
混同注意
「結果の知識(KR)」と「パフォーマンスの知識(KP)」の定義と、それらに該当する具体的な例。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、選択肢がKRとKPのどちらに分類されるかを正確に判断できるか。また、内在性フィードバックと外在性フィードバック、およびそれらの学習段階における重要性についても問われる可能性がある。
関連知識
内在性フィードバックと外在性フィードバック、フィードバックの種類(視覚、聴覚、触覚など)、フィードバックの与え方(頻度、タイミング)、運動学習段階と適切なフィードバックの種類。