心電図の房室ブロックの所見で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
I度房室ブロックの最も重要な特徴は、心房から心室への電気信号の伝達が遅延するものの、すべてのP波がQRS波へと伝導されることです。これにより、PR間隔は延長しますが、QRS波の脱落は起こりません。
選択肢ごとの解説
- 1. ウェンケバッハ型房室ブロック(Mobitz I型)では、P波とそれに続くQRS波の間のPR間隔が徐々に延長し、最終的にQRS波が脱落するという特徴的なパターンを示します。正しくは:ウェンケバッハ型房室ブロックではPR間隔が徐々に延長します。選びやすい理由:PR間隔の変化が不規則に感じられるため、不変と誤解する可能性があります。混同注意:他の型の房室ブロック(例:I度房室ブロック)と混同することがあります。
- 2. 正解。I度房室ブロックは、房室伝導時間の延長(PR間隔が0.20秒以上)のみを特徴とし、全てのP波はQRS波に繋がり、QRS波の脱落は生じません。選びやすい理由:症状がないことが多いため、異常がないと誤解しやすいですが、伝導遅延は存在します。混同注意:QRS波の脱落を伴うII度やIII度房室ブロックと混同しやすいです。
- 3. I度房室ブロックの定義はPR間隔が0.20秒以上(0.1秒ではありません)であり、II度房室ブロックの診断基準はP波の一部がQRS波に伝導されない(QRS波の脱落がある)ことです。PR間隔の延長はII度ブロックの定義には含まれません(延長することもありますが、必ずしもそうとは限りません)。正しくは:I度房室ブロックではPR間隔が0.20秒以上になります。選びやすい理由:房室ブロックはPR間隔の延長と関連が深いため、この記述が正しいように思えるかもしれません。しかし、値が誤っていることと、II度ブロックの主要な特徴ではない点が誤りです。混同注意:I度房室ブロックの定義と、II度房室ブロックの定義を混同しやすいです。
- 4. III度房室ブロック(完全房室ブロック)では、心房と心室の伝導が完全に途絶えるため、P波とQRS波はそれぞれ独立したリズムで出現します。P波自体は心房の興奮として正常に観察されますが、QRS波とは関連性がありません。正しくは:III度房室ブロックでは、P波は出現しますがQRS波とは関連なく独立して拍動します。選びやすい理由:完全房室ブロックという言葉から、心臓の活動が停止しているかのように誤解する可能性があります。また、P波とQRS波の関連がなくなるため、P波が見えにくくなると考えるかもしれません。混同注意:心静止や心停止と混同したり、P波とQRS波の関連性がないことをP波の消失と誤解したりすることがあります。
- 5. Mobitz II型房室ブロックは、P波とQRS波の間のPR間隔は一定であるにもかかわらず、突然QRS波が脱落するという特徴があります。PR間隔が徐々に延長するのはウェンケバッハ型(Mobitz I型)の特徴です。正しくは:Mobitz II型房室ブロックではPR間隔は一定で、突然QRS波が脱落します。選びやすい理由:ウェンケバッハ型と混同しやすいため、PR間隔の延長が共通の特徴だと誤解する可能性があります。混同注意:Mobitz I型(ウェンケバッハ型)房室ブロックと混同しやすいです。
国試ポイント
房室ブロックの各病型(I度、II度Mobitz I型、II度Mobitz II型、III度)の心電図所見を正確に区別できるかどうかが問われる典型的な問題です。特に、PR間隔の変化、QRS波の脱落の有無やパターンが重要になります。
混同注意
各房室ブロックの型におけるPR間隔の変化とQRS波の脱落パターンが非常に混同しやすいです。特にMobitz I型とII型の違いは頻繁に問われます。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず各房室ブロックの定義と特徴的な心電図所見(PR間隔、QRS波の脱落の有無とパターン)を正確に想起できるかを確認します。特に、ウェンケバッハ型とMobitz II型の違いは繰り返し学習する必要があります。
関連知識
心電図のP波、QRS波、T波、PR間隔、QT間隔、RR間隔の正常値とそれが示す生理的意味。洞不全症候群、心室性期外収縮、上室性期外収縮など他の不整脈の心電図所見。