知能検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
WISC-III(ウェクスラー児童知能検査 第3版)は、児童期の知能を測定するための世界的に広く用いられている標準的な検査です。この検査によって全般的な知能指数(IQ)や、特定の認知能力(言語理解、知覚統合、処理速度、作動記憶など)のプロフィールを詳細に把握することができます。他の選択肢は、ADHDの症状評価、自閉スペクトラム症の診断補助、乳幼児の発達スクリーニング、自閉スペクトラム症の子どもの学習特性評価に用いられるものであり、知能を直接測定する検査ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. ADHD-RSは、注意欠陥・多動性障害の症状の有無や程度を評価するための尺度であり、知能を直接測定するものではありません。正しくは:この尺度は、ADHDの症状(不注意、多動性、衝動性)を評価するためのものです。選びやすい理由:小児期の発達に関連する検査であるため、発達検査と混同して選んでしまう可能性があります。混同注意:知能検査ではなく、特定の精神疾患のスクリーニングや重症度評価尺度です。
- 2. CARSは、自閉スペクトラム症の診断補助や重症度を評価するための尺度であり、知能を直接測定するものではありません。正しくは:この尺度は、自閉スペクトラム症の行動特徴や症状の有無・程度を評価するためのものです。選びやすい理由:小児期の発達に関連する検査であるため、発達検査と混同して選んでしまう可能性があります。混同注意:知能検査ではなく、特定の精神疾患のスクリーニングや重症度評価尺度です。
- 3. JDDST-Rは、乳幼児の発達の遅れをスクリーニングするための検査であり、知能指数を算出するような知能検査とは異なります。粗大運動、微細運動、言語、個人-社会性の4領域の発達を評価します。正しくは:この検査は、乳幼児の発達の遅れを早期に発見するためのスクリーニングツールです。選びやすい理由:「発達」という言葉が含まれるため、知能検査と誤解されやすいです。発達の全体像を捉える検査ですが、知能指数を測定するものではありません。混同注意:発達スクリーニング検査であり、知能検査ではありません。
- 4. PEP-3は、主に自閉スペクトラム症や発達障害のある幼児・児童の発達レベルと学習特性を評価するための検査で、知能指数を算出するタイプの知能検査とは異なります。発達領域と問題行動領域を評価します。正しくは:この検査は、自閉スペクトラム症のある子どもの発達プロフィールや学習ニーズを把握するためのものです。選びやすい理由:発達障害の評価に用いられるため、知能と関連すると誤解されることがあります。ただし、具体的な知能指数を算出するものではありません。混同注意:発達特性と学習特性を評価する検査であり、知能検査ではありません。
- 5. 正解。WISC-IIIは、6歳0ヶ月から16歳11ヶ月の子どもを対象とした代表的な個別式知能検査です。全般的な知能(IQ)を算出し、言語性IQ、動作性IQ、そしてそれらを合わせた全検査IQ、さらに下位尺度の指標得点(言語理解、知覚統合、注意、処理速度)を提供します。
国試ポイント
国家試験では、主要な知能検査、発達検査、精神神経疾患の評価尺度について、それぞれの目的と対象を正確に理解しているかが問われます。特に、類似する名称や対象年齢を持つ検査との区別が重要です。
混同注意
知能検査と発達検査、特定の疾患の評価尺度を混同しやすいです。例えば、JDDST-RやPEP-3は「発達」という言葉が含まれるため、知能検査と誤解されやすいですが、これらは知能指数を算出するものではありません。ADHD-RSやCARSは特定の疾患の症状評価であり、知能測定とは目的が異なります。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、各検査の正式名称、略称、目的、対象年齢、評価項目(知能指数、発達指数、症状の程度など)が明確に区別できるかを確認します。特に、知能指数を算出する検査と、発達の遅れや特定の症状をスクリーニング・評価する検査との違いを問われる可能性があります。
関連知識
知能検査にはWISCシリーズ(WISC-IV, WISC-Vなども)、WAISシリーズ(成人向け)、田中ビネー知能検査などがあります。発達検査には新版K式発達検査、遠城寺式乳幼児分析的発達検査などがあり、これらは発達の各領域(運動、社会性、言語など)を評価します。それぞれの検査の目的、対象年齢、測定内容を把握しておくことが重要です。