症候と内分泌異常の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
副甲状腺機能が低下すると、血液中のカルシウム濃度が低下し(低カルシウム血症)、神経筋の興奮性が亢進してテタニー(手足のしびれ、筋肉のけいれんなど)が生じます。したがって、この組み合わせは正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 先端巨大症は、下垂体前葉から分泌される成長ホルモンが過剰になることで引き起こされる症状です。ホルモンの欠損ではありません。正しくは:先端巨大症は、下垂体前葉ホルモンの過剰分泌が原因である。選びやすい理由:下垂体前葉ホルモンが関与しているという点で関連性があるため、深く考えずに選んでしまう可能性があります。混同注意:成長ホルモン分泌不全性低身長症(下垂体性小人症)のような、成長ホルモン欠損による症状と混同しやすいかもしれません。
- 2. 中心性肥満は、副腎皮質機能の亢進(クッシング症候群など)によって引き起こされる特徴的な症状の一つです。機能低下ではありません。正しくは:中心性肥満は、副腎皮質機能の亢進によって生じる。選びやすい理由:肥満と内分泌の関連性は広く知られているため、漠然とした知識で選ぶ可能性があります。混同注意:クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)とアジソン病(副腎皮質機能低下症)の症状を混同しやすいです。
- 3. 正解。副甲状腺機能が低下すると、副甲状腺ホルモンの分泌が減少し、血液中のカルシウム濃度が低下します(低カルシウム血症)。低カルシウム血症は神経筋の興奮性を高め、テタニー(筋肉のけいれんや硬直)を引き起こします。
- 4. 尿崩症は、抗利尿ホルモンの分泌不足や、腎臓が抗利尿ホルモンに反応しないことによって引き起こされる疾患です。抗利尿ホルモンの分泌亢進は、SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)の原因となります。正しくは:尿崩症は、抗利尿ホルモンの分泌不足によって発症する。選びやすい理由:「尿」という言葉から、排尿に関するホルモンである抗利尿ホルモンとの関連を連想しやすいですが、その機能亢進と低下を混同する可能性があります。混同注意:尿崩症とSIADH、または尿崩症と糖尿病(特に多飲・多尿の症状が共通するため)を混同しやすいです。
- 5. 頻脈は、甲状腺機能の亢進(バセドウ病など)によって見られる症状です。甲状腺機能が低下すると、心拍数はむしろ遅くなります(徐脈)。正しくは:頻脈は、甲状腺機能の亢進によって現れる症状である。選びやすい理由:甲状腺ホルモンが全身の代謝に関わることを知っていても、機能亢進と低下で症状が逆転することを忘れやすいです。混同注意:甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症の症状を混同しやすいです。
国試ポイント
本問題は、主要な内分泌疾患とその特徴的な症状、および原因となるホルモンの異常(過剰分泌か分泌不足か)に関する正確な知識を問うものです。各疾患の病態生理を理解し、症状と内分泌腺・ホルモンを結びつけられるかがポイントとなります。特に、機能亢進と機能低下で症状が逆になるケースが頻繁に出題されます。
混同注意
先端巨大症と成長ホルモン分泌不全性低身長症、クッシング症候群とアジソン病、尿崩症とSIADH、甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症など、症状が対照的である疾患群は特に混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、病名と関連するホルモン、その機能異常(過剰か低下か)、そして代表的な症状の三点の組み合わせが適切かを問われる可能性が高いです。特に、検査値(血糖値、電解質、ホルモン濃度など)が提示され、疾患を推定する形式や、合併症について問う問題も想定されます。
関連知識
下垂体疾患(先端巨大症、下垂体機能低下症)、副腎疾患(クッシング症候群、アジソン病)、副甲状腺疾患(副甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能低下症)、視床下部-下垂体後葉疾患(尿崩症、SIADH)、甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病)など、各ホルモンの生理作用とその異常による症状を網羅的に理解することが重要です。