訪問理学療法で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
訪問理学療法は、要介護者や身体機能に課題を抱える方が自宅で安全かつ自立した生活を送れるよう支援することを主な目的としています。そのため、日常生活において最も基本となる『歩行』や『移動』に関するニーズが高いことは自然な傾向であり、実際の統計データでも多く報告されています。
選択肢ごとの解説
- 1. 訪問理学療法では、身体機能だけでなく、生活環境や社会参加など多角的な視点から対象者全体にアプローチすることが重要です。正しくは:環境要因だけでなく、身体機能、心理状態、社会参加など、多岐にわたる側面へアプローチを行う。選びやすい理由:住環境の整備が訪問理学療法で重要な側面であるため、環境アプローチが主だと誤解しやすい。混同注意:訪問理学療法における環境整備の重要性と、アプローチの全体性。
- 2. 正解。訪問理学療法を必要とする利用者からの要望は、在宅での自立した生活を送るために不可欠な『歩行』や『移動』に関するものが非常に多い傾向にあります。これは日常生活動作(ADL)に直結するためです。
- 3. 訪問理学療法の主な対象者は、脳血管疾患後遺症、神経難病、運動器疾患(骨折後など)といった疾患や、高齢による身体機能低下を抱える方が多く、交通事故による外傷が多数を占めるわけではありません。正しくは:対象者の多くは脳血管疾患後遺症、運動器疾患、神経難病、または高齢による身体機能低下を抱える者である。選びやすい理由:理学療法全体で交通事故による外傷患者も多いことから、訪問リハでも同様に多いと誤解しやすい。混同注意:理学療法の対象疾患全体と、訪問理学療法の対象疾患の内訳。
- 4. 目標設定は、対象者本人と家族、そして理学療法士を含む多職種が共同で協議し、対象者本人の意向とQOLの向上を最も重視して決定されるべきです。家族の意見も重要ですが、最優先ではありません。正しくは:ゴール設定の際には、対象者本人の意向を尊重し、家族や多職種と連携して協議する。選びやすい理由:家族の協力が訪問理学療法において不可欠であるため、家族の要望が重要だと考えやすい。しかし、主体は本人である。混同注意:家族の協調性・重要性と、目標設定における本人主体性。
- 5. 理学療法士も、安全なリハビリテーション実施のためにバイタルサイン(血圧、脈拍、体温など)の確認を行う必要があります。異常を認めた場合は、看護師や医師と連携します。正しくは:バイタルサインの確認は、理学療法士も安全なリハビリテーション実施のために行う必要がある。選びやすい理由:看護師の専門性がバイタルサインの管理にあるため、理学療法士が行ってはいけないと誤解しやすい。しかし、理学療法士もリスク管理の観点から実施する。混同注意:看護師の専門性と、理学療法士が行うリスク管理としてのバイタルサインチェック。
国試ポイント
訪問理学療法の役割、対象者の特徴、他職種連携、リハビリテーションの目標設定における基本原則が問われています。特に、訪問リハビリテーション特有の側面(在宅生活の支援、ADLへの直接的な関与)を理解しているかが試されています。
混同注意
訪問理学療法と通所リハビリテーション、あるいは病院での理学療法との違い。また、理学療法士の業務範囲と他職種(特に看護師)の業務範囲。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、訪問リハビリテーションにおける理学療法士の具体的な役割、提供できるサービス内容、医療保険・介護保険制度における位置づけ、緊急時の対応について問われる可能性があります。
関連知識
訪問リハビリテーションの制度、対象疾患の疫学、ICF(国際生活機能分類)の視点、多職種連携の重要性、リスク管理。