努力性呼気時に働く筋で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
外肋間筋は主に肋骨を引き上げ、胸郭を広げることで吸気に関与する筋肉です。一方、努力性呼気は、腹筋群(腹直筋、内・外腹斜筋、腹横筋など)や内肋間筋、肋下筋などが収縮して胸郭を縮小させたり、腹腔内圧を高めたりすることで起こります。したがって、外肋間筋が努力性呼気時に働くとするのは誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 腹直筋は腹部の主要な筋肉で、収縮により腹腔内圧を高めて横隔膜を押し上げ、同時に下位肋骨を引き下げることで、努力性呼気を力強く補助します。選びやすい理由:多くの学生は腹筋群が努力性呼気に働くことを理解しているため、これは正しい選択肢として認識されやすいです。
- 2. 肋下筋は肋骨の内側に位置し、特に努力性呼気時に肋骨を引き下げる作用を持ちます。選びやすい理由:比較的マイナーな筋肉かもしれませんが、その位置と作用から呼気筋であることは理解できるでしょう。混同注意:他の内側の肋骨筋群(例:内肋間筋)と混同することはありませんが、その作用自体は呼気筋として正しいです。
- 3. 正解。外肋間筋は肋骨を引き上げて胸郭を拡大させることで、主に吸気(特に安静時吸気)に働く筋肉です。努力性呼気時には活動が減少するか停止し、呼気筋としては働きません。
- 4. 内腹斜筋は腹壁を構成する筋肉の一つであり、収縮することで腹腔内圧を上昇させ横隔膜を押し上げ、また下位肋骨を引き下げることで努力性呼気に関与します。選びやすい理由:腹筋群の一部であり、腹直筋と同様に努力性呼気への関与は広く知られています。混同注意:外腹斜筋も同様に努力性呼気に関与しますが、内腹斜筋も主要な腹筋として働きます。
- 5. 内肋間筋は全体として肋骨を引き下げ、胸郭を縮小させることで呼気、特に努力性呼気に働く筋肉です。後部もこの呼気作用に寄与します。選びやすい理由:内肋間筋が呼気筋であることは基本的な知識なので、この選択肢も正しいと判断されやすいです。混同注意:外肋間筋(吸気筋)と混同しやすいですが、内肋間筋は呼気筋です。
国試ポイント
この問題は、呼吸運動に関わる筋肉の基本的な役割、特に吸気筋と呼気筋、そして安静時呼吸と努力性呼吸で動員される筋肉の違いを正確に理解しているかを問うものです。主要な呼吸筋とその補助筋を区別できる知識が求められます。
混同注意
安静時吸気筋(横隔膜、外肋間筋)と努力性吸気補助筋(胸鎖乳突筋、斜角筋など)、および努力性呼気筋(腹筋群、内肋間筋、肋下筋など)を混同しやすいです。特に、外肋間筋と内肋間筋の役割の区別は重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず『吸気』と『呼気』のどちらを問われているか、さらに『安静時』か『努力性』かを確認します。その後、各筋肉が肋骨を『挙上』するか『引き下げる』か、あるいは『腹腔内圧を上昇』させるか、という基本的な作用を思い出して判断します。
関連知識
・安静時吸気:横隔膜、外肋間筋。・安静時呼気:筋活動なし(肺と胸郭の弾性収縮)。・努力性吸気:安静時吸気筋に加え、胸鎖乳突筋、斜角筋、広背筋、前鋸筋など。・努力性呼気:腹直筋、内・外腹斜筋、腹横筋、内肋間筋、肋下筋、腰方形筋など。