随意運動の制御に関与する部位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
随意運動は、大脳皮質運動野で計画・指令され、小脳や大脳基底核がその運動の調節に関与します。小脳の中でも歯状核は、運動の計画、協調性、学習において中心的な役割を担っており、大脳皮質や視床との密接な連絡を通じて随意運動の正確な実行を可能にします。
選択肢ごとの解説
- 1. 海馬は主に記憶形成と空間学習に関与しており、随意運動の直接的な制御には関わりません。正しくは:記憶形成、空間学習、感情など選びやすい理由:脳の主要な構造の一つであり、様々な機能に関わるため、知識が曖昧だと選択肢として魅力的に映る可能性があります。混同注意:他の脳機能と混同しやすい。特に、運動学習の側面で間接的に関わることはあるが、直接的な制御ではない点。
- 2. 正解。歯状核は小脳から出力される主要な核であり、大脳皮質の運動野と視床を介して連絡し、随意運動の精密な調節や計画に重要な役割を果たします。選びやすい理由:正しい選択肢であるため、特定の誤解を招くことは少ないですが、小脳の機能が随意運動の直接的な開始ではなく、調整であることを理解している必要があります。混同注意:小脳の核であるため、小脳自体の機能(協調運動、平衡機能)と混同されがちですが、歯状核はその中でも特に随意運動の計画や実行調整に関わります。
- 3. 松果体はメラトニンを分泌し、睡眠・覚醒リズムの調節(概日リズム)に関与していますが、随意運動の制御とは直接的な関連がありません。正しくは:概日リズムの調節、メラトニン分泌など選びやすい理由:内分泌器官として重要であるため、脳の他の機能と混同されやすいです。混同注意:他の脳内分泌腺や視床下部機能と混同しやすいです。
- 4. 青斑核はノルアドレナリンを産生し、覚醒、注意、ストレス応答などに関与していますが、随意運動の直接的な制御ではありません。正しくは:覚醒、注意、ストレス応答、痛覚抑制など選びやすい理由:脳幹に位置し、広範な投射を持つため、様々な脳機能に関わると誤解されやすいです。混同注意:ドーパミン系やセロトニン系の核と混同されやすいです。
- 5. 扁桃体は感情(特に恐怖や不安)、記憶、モチベーションなどに関わる大脳辺縁系の部位であり、随意運動の直接的な制御には関与しません。正しくは:感情(特に恐怖)、記憶、動機付けなど選びやすい理由:感情と運動の関係性(例:恐怖によるフリーズ反応)から、間接的な関連を想像してしまう可能性がありますが、直接的な制御部位ではありません。混同注意:他の大脳辺縁系構造(海馬など)や、情動性運動との混同。
国試ポイント
脳の各部位の機能に関する基本的な知識が問われています。特に、小脳の機能として随意運動の「調整」や「協調」が挙げられることを理解しているかが重要です。直接的な運動の開始は大脳皮質運動野であることを踏まえつつ、その運動の円滑な実行に小脳のどの核が関わるかを問う典型的な問題形式です。
混同注意
大脳基底核や他の小脳核(間定核、球状核、栓状核)の機能。また、錐体路系と錐体外路系の機能の違いと、各脳部位がどちらに関与するかという点。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、大脳基底核の各核(淡蒼球、被殻、尾状核など)の機能や、それらが随意運動の調整にどう関わるか、または姿勢反射や不随意運動の制御に関わる部位について問われる可能性があります。
関連知識
小脳の機能解剖(小脳皮質、深部核、小脳脚)、大脳基底核の機能(淡蒼球、線条体、黒質、視床下核)、大脳皮質の運動野の機能、神経伝達物質とその関連部位。