脊髄損傷で異所性化骨の好発部位はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
脊髄損傷後の異所性化骨は、身体の大関節、特に股関節周囲に最も高頻度で認められます。これは、損傷後の長期臥床による不動、痙縮の存在、局所の微細な外傷、炎症反応などが複合的に関与していると考えられています。股関節のほか、膝関節や肘関節にも発生することがありますが、その頻度は股関節ほど高くありません。そのため、股関節が脊髄損傷における異所性化骨の最も一般的な好発部位であると認識することが重要です。
選択肢ごとの解説
- 1. 肩関節も異所性化骨が発生しうる部位ではありますが、脊髄損傷患者における好発部位としては股関節が最も高頻度です。正しくは:肩関節における異所性化骨の発生頻度は、股関節に比べて低いとされています。選びやすい理由:上肢の麻痺を伴う脊髄損傷の場合、肩関節の不動や微細な外傷によって発生する可能性はゼロではないため、迷う可能性があります。混同注意:他の外傷や疾患(例:脳卒中など)での異所性化骨の好発部位と混同する可能性や、単に上肢の主要関節として選択肢に含まれていることから、注意を要します。
- 2. 肘関節も異所性化骨が発生しうる部位ではありますが、脊髄損傷患者における好発部位としては股関節が最も高頻度です。正しくは:肘関節における異所性化骨の発生頻度は、股関節に比べて低いとされています。選びやすい理由:上肢の麻痺を伴う脊髄損傷の場合、肘関節の不動や微細な外傷によって発生する可能性はゼロではないため、迷う可能性があります。混同注意:他の外傷や疾患(例:頭部外傷後)での異所性化骨の好発部位と混同する可能性や、単に上肢の主要関節として選択肢に含まれていることから、注意を要します。
- 3. 手関節は、脊髄損傷における異所性化骨の好発部位とは言えません。発生頻度は非常に稀です。正しくは:手関節における異所性化骨の発生は極めて稀です。選びやすい理由:上肢の関節として、他の部位と同様にリスクがあると考えてしまう可能性があります。混同注意:上肢の小さな関節であるため、大関節に比べると発生頻度が低いという基本的な知識と照らし合わせる必要があります。
- 4. 正解。脊髄損傷後に発生する異所性化骨は、下肢の大関節、特に股関節周囲に最も高頻度で発生することが多くの研究で報告されています。損傷レベル、完全麻痺の有無、痙縮の程度などがリスク因子とされています。
- 5. 足関節は、脊髄損傷における異所性化骨の好発部位とは言えません。発生頻度は非常に稀です。正しくは:足関節における異所性化骨の発生は極めて稀です。選びやすい理由:下肢の関節であるため、股関節と同様にリスクが高いと考えてしまう可能性があります。混同注意:股関節や膝関節といった下肢の大関節と混同し、一律に下肢の関節はリスクが高いと誤解する可能性があります。
国試ポイント
この問題は、脊髄損傷の合併症に関する知識、特に異所性化骨の好発部位について正確に理解しているかを問うものです。臨床では、異所性化骨を早期に発見し、適切なリハビリテーションや治療介入を行う上で、好発部位を知っていることが不可欠となります。脊髄損傷のリハビリテーションを担う理学療法士にとって、必須の知識です。
混同注意
異所性化骨は、脊髄損傷以外にも重症頭部外傷や熱傷、脳卒中など様々な病態で発生し、それぞれの病態によって好発部位が異なる場合があります。脊髄損傷の場合に限定して、最も頻度が高いのは股関節であるという点を、他の疾患による異所性化骨の好発部位と混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に脊髄損傷の異所性化骨に関する問題が出題される場合、好発部位だけでなく、その発生機序、早期発見のための症状や検査所見、予防策、理学療法における注意点(特に無理な他動運動の回避)などが問われる可能性があります。また、異所性化骨がリハビリテーションに与える影響や、合併症がある場合の治療方針に関する知識も重要です。
関連知識
異所性化骨の病態生理は完全には解明されていませんが、損傷部位からの炎症性サイトカインや骨形成促進因子の放出、幹細胞の分化異常などが関与すると考えられています。症状としては、関節周囲の腫脹、熱感、疼痛、関節可動域制限、痙縮の増強などが挙げられます。診断は、X線写真、骨シンチグラフィー、CTスキャンなど画像診断のほか、血清アルカリフォスファターゼ(ALP)の著明な上昇が指標となります。予防や治療には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服、関節可動域訓練、物理療法、進行した場合には手術的切除が検討されます。