病気の解説
脊髄損傷
別名:せき損、脊損
緊急性の高い症状
- けがのあとに手足が動かない・しびれる、呼吸が苦しい
- 首や背中の上のほうに脊髄損傷がある方で、急な激しい頭痛、顔が赤くなる・汗をかく、急な血圧上昇、見え方の変化があるとき(命にかかわる自律神経の反応のことがあります。できれば座った姿勢を保ち、すぐに医療を受けてください)
当てはまるときは、ためらわず 119 または救急外来へ。
受診の目安
転倒・転落・交通事故・スポーツなどで首や背中を強く打ったあと、次のような症状があれば、すぐに119番に連絡し救急で受診してください。脊髄損傷は緊急の治療が必要な状態です。
- 手足が動かない、力が入らない
- 手足のしびれ、感覚がおかしい
- 首や背中、頭の強い痛みや圧迫感
- 尿や便がコントロールできない
- 呼吸が苦しい
もともと首の脊柱管が狭い方などは、骨折がなくても軽い転倒で起こることがあります。けがをした人の首や背中を動かすと損傷が広がるおそれがあるため、頭と体を一緒に保ち、むやみに動かさずに救急隊を待ってください。症状だけで病名は判断できません。
出典:日本整形外科学会、MedlinePlus、米国国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)
基本
概要
脊髄損傷は、脊椎の脱臼や骨折で脊髄が圧迫されることなどによって生じます。完全麻痺と不全麻痺があり、損傷した脊髄から遠くの部位で運動や知覚の障害がみられます。頚椎の場合は四肢が動かなくなることや感覚が失われることがあります。
主な症状
麻痺の程度は完全麻痺と不全麻痺で異なります。完全麻痺では下肢が動かず感覚もなくなることがあります。頚椎では四肢全体の運動や感覚が影響を受けることがあります。これらは損傷された脊髄から遠位の部位にも及ぶことがあります。
原因
主な原因は脊椎の脱臼や骨折によって脊髄が圧迫されることです。頚椎では元から脊柱管が狭い人や特定の病気があると、転倒などの衝撃で脊髄損傷が起こりやすくなります。脱臼や骨折がなくても生じることがあり、非骨傷性頚髄損傷と呼ばれることがあります。
検査と診断
診断
麻痺がある状態を確認し、MRIやX線(レントゲン)で脊椎・脊髄の損傷部位が分かれば診断されます。
治療
治療
損傷された脊椎を動かさず、損傷の広がりを防ぎます。頚髄損傷で四肢が動かない場合は、頭部と体幹を一体として固定して病院へ搬送します。受傷直後は脊髄ショックの状態で完全麻痺と不全麻痺の区別がつかないことがあります。脊髄ショックを脱して完全麻痺となった場合は一般的に予後は期待できません。治療は不安定性のある損傷脊椎の固定が中心です。圧迫が残っている不全麻痺の場合には圧迫を除去する手術を行うことがあります。麻痺が残った場合には日常生活の自立を高めるためのリハビリテーションが必要になります。
脊髄損傷と関係する症状
症状のページでは、同じ症状が出るほかの病気や受診の目安も確認できます。
脳神経内科で扱うほかの病気
国家試験での出題
医療系の国家試験で、この病気に関係して出題された過去問です(学生・受験生向け)。
出典
参考: 日本整形外科学会(出典の事実をもとに medimichi が患者向けに再構成)
受診の目安の出典:日本整形外科学会 脊髄損傷 / MedlinePlus: Spinal Cord Injuries / NINDS: Spinal Cord Injury(2026-10-13 確認)
この記事は一般的な医療情報の解説で、診断・治療を目的としたものではありません。気になる症状があるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。緊急時は 119 / 医療機関へ。