感染予防の標準予防策〈standard precautions〉について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
標準予防策は、血液、体液、分泌物(汗を除く)、排泄物、損傷のある皮膚、粘膜を感染源として扱うという原則に基づいています。患者が出血した際には血液への接触が予想されるため、手袋を着用して自身と患者への感染リスクを低減することが求められます。
選択肢ごとの解説
- 1. 標準予防策は、感染症の有無にかかわらず、全ての患者に対して適用される基本的な感染対策です。正しくは:標準予防策は、全ての患者に対して日常的に実施されるべき感染対策である。選びやすい理由:「感染症患者」という言葉から、感染対策が彼らに限定されると誤解しやすい。混同注意:「感染経路別予防策」と混同しやすい。経路別予防策は特定の感染症患者に適用される。
- 2. 正解。標準予防策では、血液、体液、分泌物(汗を除く)、排泄物、損傷のある皮膚、粘膜に触れる可能性がある場合、手袋などの個人防護具の着用が推奨されます。出血は血液との接触機会であるため、手袋着用は適切です。
- 3. 標準予防策は、場所に関わらず、医療行為を行う全ての場面で適用されるべきです。屋外であっても、患者の体液に触れる可能性があれば対策は必要です。正しくは:屋外での歩行訓練であっても、感染源に接触する可能性があれば感染予防対策は必要である。選びやすい理由:屋外という非医療的な環境では感染リスクが低いと誤解しやすいため。混同注意:環境的な清潔さと、医療行為における体液曝露のリスク管理とを混同しやすい。
- 4. 患者に接触する前、清潔操作の前、体液暴露の可能性があった後、患者に接触した後など、適切なタイミングでの手指衛生は標準予防策の基本です。血圧測定も患者に直接触れる行為であるため、その前には手指衛生が必要です。正しくは:血圧測定を行う前には手指衛生を実施すべきである。選びやすい理由:血圧測定が非侵襲的で簡単な行為であるため、手指衛生の重要性が低いと誤解しやすい。混同注意:侵襲的な処置のみ手指衛生が必須であるという誤解と混同しやすい。
- 5. N95マスクは空気感染対策として用いられる特殊なマスクであり、標準予防策において日常的に全ての状況で使用されるわけではありません。標準予防策におけるマスクは、飛沫感染のリスクがある場合や血液・体液の飛散が予想される場合に使用され、通常はサージカルマスクで十分です。正しくは:飛沫の発生が予想される場合や空気感染対策が必要な場合に、状況に応じて適切なマスク(例:サージカルマスク、N95マスク)を使用する。選びやすい理由:感染対策全般において高性能マスクが優れているという印象から、常にN95が必要だと錯覚しやすい。混同注意:「標準予防策」と「空気感染対策(経路別予防策)」を混同しやすい。
国試ポイント
標準予防策の基本的な概念(対象、目的、具体的な実施内容)を正確に理解しているかが問われます。特に、全ての患者に適用されること、体液曝露時の個人防護具の着用、手指衛生の重要性が頻出です。
混同注意
標準予防策と感染経路別予防策(空気感染、飛沫感染、接触感染)との違い、およびそれぞれの予防策で用いられる個人防護具の種類と使い分け。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、標準予防策の対象範囲(誰に対して、どのような状況で)と、具体的な個人防護具の選択基準、手指衛生の適切なタイミングに注目して選択肢を評価する。
関連知識
医療従事者の感染予防、患者安全、院内感染対策、個人防護具(PPE)の種類と使用方法、手指衛生のタイミング(WHOの『My 5 Moments for Hand Hygiene』など)。