持久力に必要なエネルギー供給系の説明で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
解糖系は、グルコースを分解してATPを生成する代謝経路であり、酸素を直接必要としません。酸素が十分に供給されない状況(無酸素状態)でも進行し、その場合は最終的に乳酸が生成されます。したがって、「無酸素性エネルギー供給系」という説明は正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. ATPは細胞内に少量しか貯蔵されず、常に合成と分解を繰り返すことでエネルギーを供給します。正しくは:ATPは体内に少量しか貯蔵できない。選びやすい理由:エネルギーの通貨であるため、体内に豊富にあると錯覚しやすい。混同注意:グリコーゲンや脂肪など、他のエネルギー源の貯蔵量と混同する。
- 2. 解糖系とTCA回路は、グルコースを分解してエネルギーを生成する過程において、異なる段階を指す独立した代謝経路です。解糖系は細胞質で起こり、TCA回路はミトコンドリア内で起こります。正しくは:解糖系とTCA回路は異なるエネルギー代謝経路である。選びやすい理由:どちらも糖代謝に関わるため、関連性が深いという点で同じものと誤解しやすい。混同注意:解糖系、TCA回路、電子伝達系といったエネルギー代謝経路の名称と役割。
- 3. 正解。解糖系は、酸素の有無にかかわらずグルコースからピルビン酸を生成し、ATPを産生します。酸素が不足している場合は、ピルビン酸が乳酸に変換されることで解糖が継続されます。
- 4. 酸化系(有酸素系)は、その名の通り酸素を利用してATPを生成するシステムであり、無酸素性ではありません。ミトコンドリア内でTCA回路と電子伝達系を通じて効率的に大量のATPを産生します。正しくは:酸化系は有酸素性のエネルギー供給システムである。選びやすい理由:他のエネルギー系との混同、特に名称の「酸化」から酸素が直接関係ないと勘違いする可能性がある。混同注意:有酸素性エネルギー供給系と無酸素性エネルギー供給系の区別。
- 5. ATP-CP(クレアチンリン酸)系は、非常に短時間で爆発的な力を発揮するために使われる、酸素を必要としない無酸素性のエネルギー供給システムです。正しくは:ATP-CP系は無酸素性のエネルギー供給システムである。選びやすい理由:エネルギー供給の基本的なシステムであるため、一般的なイメージとして有酸素運動と結びつけやすい。混同注意:短時間高強度運動と長時間低強度運動における主なエネルギー供給系の区別。
国試ポイント
エネルギー供給系の基本知識、特にそれぞれのシステムが「有酸素性」か「無酸素性」か、またどの程度の時間と強度で主に用いられるかを問う問題です。ATP-CP系、解糖系、酸化系のそれぞれの特徴を正確に理解しているかが試されます。
混同注意
各エネルギー供給系の名称とその分類(有酸素/無酸素)、主要な基質、反応場所、および持続時間・最大出力の特性が混同されやすい。特に、「酸化」という言葉から酸素を使うものだと単純に判断しがちだが、その詳細な分類がポイント。
次に同じ論点が出たら
次にこの論点が出題された場合、各エネルギー供給系の「主要な基質」「主な反応場所」「ATP生成量」「関わる酵素」などが問われる可能性があります。また、具体的な運動強度や持続時間とエネルギー供給系の対応関係も重要です。
関連知識
1. ATP-CP系:クレアチンリン酸を分解してATPを再合成。数秒間の高強度運動。無酸素性。2. 解糖系:グルコースを分解してATPを生成。数十秒から数分の中強度運動。無酸素性。酸素がある場合はTCA回路へ。3. 酸化系(有酸素系):TCA回路、電子伝達系。糖質、脂質、一部アミノ酸を完全に分解して大量のATPを生成。数分以上の低~中強度運動。有酸素性。