集合管における尿の濃縮に関わるホルモンはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
抗利尿ホルモン(バソプレシン)は、腎臓の集合管や遠位尿細管に作用し、水チャネルであるアクアポリン-2の発現を増加させることで、これらの部位での水の再吸収を促進します。結果として尿量が減少し、尿の浸透圧が上昇し、尿が濃縮されます。
選択肢ごとの解説
- 1. グルカゴンは血糖値を上昇させるホルモンであり、主に肝臓での糖新生やグリコーゲン分解を促進します。集合管での尿濃縮とは直接関係ありません。正しくは:グルカゴンは血糖値調節に関与するホルモンである。選びやすい理由:ホルモンの名前自体は一般的で知られているため、生理作用を混同する可能性がある。混同注意:インスリン、あるいは他の内分泌系ホルモン全般との混同。
- 2. メラトニンは松果体から分泌され、概日リズム(睡眠・覚醒サイクル)の調節に関与するホルモンです。尿の濃縮機能には直接関わりません。正しくは:メラトニンは睡眠リズムの調節に関与するホルモンである。選びやすい理由:これも一般的なホルモン名であり、腎臓の機能とは全く関係ないことを知らないと選択肢として残してしまう可能性がある。混同注意:他の脳から分泌されるホルモンとの混同。
- 3. オキシトシンは視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌されるホルモンで、子宮収縮や乳汁分泌、社会的行動に関与します。尿の濃縮作用とは無関係です。正しくは:オキシトシンは子宮収縮や乳汁分泌に関与するホルモンである。選びやすい理由:抗利尿ホルモン(バソプレシン)と同じ下垂体後葉から分泌されるため、両者の生理作用を混同する可能性がある。混同注意:バソプレシン(ADH)との混同。どちらも下垂体後葉ホルモンである点。
- 4. パラトルモン(副甲状腺ホルモン、PTH)は副甲状腺から分泌され、血中のカルシウム濃度を上昇させる働きがあります。尿の濃縮ではなく、主に腎臓でのカルシウム再吸収やリン排泄に影響します。正しくは:パラトルモンは血中カルシウム濃度調節に関与するホルモンである。選びやすい理由:腎臓に作用するホルモンではあるため、腎臓の働きを広く捉えすぎると選択肢として誤って選んでしまう可能性がある。混同注意:他の電解質調整ホルモンや、腎臓に作用する他のホルモンとの混同。
- 5. 正解。抗利尿ホルモン(バソプレシン、ADH)は下垂体後葉から分泌され、腎臓の集合管と遠位尿細管における水の再吸収を促進します。これにより尿量が減少し、尿が濃縮されます。
国試ポイント
この問題は、腎臓の機能調節に関わるホルモンの基本的な知識、特に集合管での尿濃縮機構を問うものです。各ホルモンの分泌部位と主要な生理作用を正確に理解しているかが重要です。特に、腎臓に作用するホルモン(抗利尿ホルモン、アルドステロン、パラトルモンなど)については、その作用部位と効果を区別して覚える必要があります。
混同注意
オキシトシンと抗利尿ホルモン(バソプレシン)はともに下垂体後葉から分泌されるため混同しやすい。また、アルドステロンも集合管に作用するが、水ではなくナトリウムの再吸収に関わる点が異なる。腎臓の電解質・水分の調節に関わるホルモン全体を混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、抗利尿ホルモン欠乏時の症状(尿崩症)、ADH分泌異常症(SIADH)、あるいはアルドステロンの作用(ナトリウム再吸収とカリウム排泄)について問われる可能性が高い。また、腎臓の各部位(糸球体、近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管、集合管)でどのホルモンがどのように作用するかの詳細な知識が問われることも考えられます。
関連知識
抗利尿ホルモン(ADH)の作用機序(アクアポリン-2)、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(RAAS)の全体像、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)の作用。これらのホルモンが複合的に体液量や血圧を調節していることを理解することが重要です。