排尿機構について正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番(いずれも正解)
解説
【公式の取扱い】この問題は1つを選ぶ形式ですが、公式の正答表では4・5のいずれも正解とされています。 選択肢4は、内尿道括約筋が交感神経系のノルアドレナリン作用により収縮し、蓄尿を維持するという事実を述べています。選択肢5は、排尿反射が脊髄レベルで完結するものの、大脳皮質からの上位中枢による随意的な抑制・促進が可能であることを述べており、排尿を我慢する機能はまさにその抑制作用によるものです。
選択肢ごとの解説
- 1. 排尿時には、尿が体外へ排出されるよう、内尿道括約筋は弛緩します。収縮は蓄尿時(尿をためている時)に起こります。正しくは:排尿時には、内尿道括約筋は弛緩します。選びやすい理由:括約筋が尿の流れに関わることは正しいですが、その収縮・弛緩のタイミングを混同しやすいです。混同注意:蓄尿時の括約筋の動きと排尿時の括約筋の動きを混同しやすいです。
- 2. 膀胱が尿で満たされ始めると、初期段階では尿意は通常感じません。ある程度の量(通常150~200ml程度)が溜まって膀胱内圧が上昇してから、最初の尿意を感じます。正しくは:膀胱に尿がある程度の量まで溜まると、尿意を感じ始めます。選びやすい理由:尿が膀胱にあるから尿意を感じる、という単純な連想で選びやすいです。混同注意:初期の膀胱充満と、その後の明確な尿意の発現のタイミングを混同しやすいです。
- 3. 尿道を尿が通過する感覚は、排尿筋の収縮を抑制するのではなく、むしろさらに促進させ、排尿をスムーズに進める助けとなります。正しくは:尿道を通る尿の感覚は、排尿筋の収縮を促進します。選びやすい理由:感覚と反射の関連性を誤って解釈しやすいです。例えば、痛みなどの不快な感覚が抑制に繋がる、という誤った連想をする可能性があります。混同注意:排尿を抑制する反射(例えばストレッチングによる抑制)と、排尿を促進する反射を混同しやすいです。
- 4. 正解。膀胱の括約筋(特に内尿道括約筋)は、交感神経からのノルアドレナリン刺激(α1受容体介して)により収縮し、蓄尿を助けます。これは交感神経の働きです。選びやすい理由:神経伝達物質とその作用について正確な知識がないと判断が難しいですが、交感神経とノルアドレナリンの関連性は頻出です。
- 5. 正解。排尿は基本的に脊髄反射ですが、その反射は大脳皮質からの随意的な抑制(または促進)によってコントロールされます。尿意を感じても、環境が許さない場合などに大脳皮質が抑制をかけ、排尿を我慢できます。選びやすい理由:排尿が随意的な要素も持つという理解があれば選びやすいですが、完全に反射的なものだと誤解していると迷うかもしれません。
国試ポイント
排尿の神経支配、排尿反射のメカニズム、およびその随意的なコントロールに関する正確な知識が問われています。特に、自律神経系(交感神経・副交感神経)の具体的な作用と、上位中枢(大脳皮質)の関与が重要視されます。
混同注意
蓄尿時と排尿時の神経支配および各筋の収縮・弛緩の状態、また、自律神経と体性神経の関与を混同しやすいです。特に、括約筋や排尿筋に作用する神経伝達物質の種類と受容体の組み合わせも誤りやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、排尿に関わる各筋肉(排尿筋、内尿道括約筋、外尿道括約筋)の役割、それらを支配する神経(副交感神経、交感神経、体性神経)、そしてそれぞれの神経伝達物質とその受容体、さらに大脳皮質からの随意的な制御のメカニズムについて、より詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
排尿筋は副交感神経(アセチルコリン)で収縮し、排尿を促進します。外尿道括約筋は体性神経(アセチルコリン)で随意的に収縮・弛緩します。これらの知識と合わせて理解することが重要です。