胆汁について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
胆汁は、特に脂肪を含む食物が十二指腸に到達した際に分泌されるコレシストキニンなどのホルモンの作用により、胆嚢が収縮し、消化管への排出が増加します。これは脂肪の効率的な消化吸収に不可欠な生理反応です。
選択肢ごとの解説
- 1. 胆汁は脂肪の消化と吸収を促進する働きがあります。特に胆汁酸は脂肪を乳化し、リパーゼによる分解を助け、ミセル形成により吸収を促進します。正しくは:脂肪の吸収を促進します。選びやすい理由:消化液の一種であるため、何らかの分解作用を持つと漠然と考えるかもしれませんが、脂肪に関しては吸収を助ける役割が重要です。混同注意:他の消化液(例:胃液、膵液)に含まれる消化酵素の作用と混同する可能性があります。
- 2. 胆汁には消化酵素は含まれていません。胆汁酸が脂肪の乳化を助けることで、膵液に含まれるリパーゼなどの消化酵素が働きやすくなりますが、胆汁自体には酵素は含まれません。正しくは:消化酵素は含まれていませんが、脂肪の消化を助けます。選びやすい理由:消化に関わる液体であるため、消化酵素を含むと誤解されやすいです。混同注意:膵液や胃液など、他の消化液に含まれる消化酵素と混同しやすいです。胆汁は酵素ではなく、胆汁酸が主成分です。
- 3. 正解。食物、特に脂肪を含む食事が十二指腸に入ると、そこからコレシストキニンが分泌され、胆嚢収縮とオッディ括約筋弛緩を促し、胆汁の分泌・排出が増加します。これにより脂肪の消化・吸収が効率よく行われます。混同注意:ホルモンによる制御と神経性制御の両方があるため、単純な条件反射と捉えてしまうと理解が浅くなる可能性があります。
- 4. 胆汁酸塩の大部分(約95%)は、回腸末端で能動的に再吸収されます。大腸ではごく一部が吸収されるのみです。これは腸肝循環と呼ばれる重要なメカニズムです。正しくは:胆汁酸塩の大部分は、回腸末端で再吸収されます。選びやすい理由:消化管の後半部分で再吸収されるという点は合っていますが、「大腸」という箇所が間違いであるため、詳細を知らないと選びやすい選択肢です。混同注意:「大腸で再吸収されるもの」として水や電解質があるため、胆汁酸塩も大腸で吸収されると誤解しやすいです。
- 5. 胆汁は肝臓で産生され、胆嚢では濃縮・貯蔵されます。胆嚢自体が胆汁を生成することはありません。正しくは:肝臓で産生されます。選びやすい理由:胆嚢は胆汁を貯蔵する場所として名前が直接関連しているため、産生場所と混同しやすいです。混同注意:肝臓が産生、胆嚢が貯蔵・濃縮という役割分担を正確に理解していないと間違いやすいです。
国試ポイント
胆汁の主要な役割(脂肪の乳化)、分泌調節機構(食物摂取による促進)、産生部位(肝臓)、貯蔵・濃縮部位(胆嚢)、および胆汁酸の腸肝循環の経路(回腸末端での再吸収)について正確な知識が問われる問題です。特に、他の消化液との機能的差異(消化酵素を含まない点)も頻出の論点です。
混同注意
消化酵素の有無、産生と貯蔵の部位、および再吸収の主要部位(回腸と大腸)は特に混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合は、胆汁酸の具体的な機能(脂肪の乳化、リパーゼ活性化、ミセル形成)、コレシストキニンの作用メカニズム、または腸肝循環における胆汁酸の代謝異常(例:回腸切除時の脂肪便)について問われる可能性があります。
関連知識
胆汁酸の生合成、腸肝循環の詳細、コレシストキニン以外の消化管ホルモンの機能、脂肪消化吸収のメカニズム(ミセル形成など)。