白杖を使用している視覚障害者の介助について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・3番
解説
視覚障害者の介助では、安全確保と自立性尊重が基本です。介助者は視覚障害者の歩調に合わせ、常に半歩から一歩前を歩き、状況を声で伝えながら誘導します。段差や乗り物への乗降時は、介助者が先に動き、介助される側が介助者の動きや声の指示に従って安全に進めるように配慮します。特にバスや電車への乗車時、階段を下りる際は介助者が先行して安全を確保します。ドアの開閉時には、ドアの種類に応じて介助者が安全を確保し、スムーズな通行を促す必要があります。
選択肢ごとの解説
- 1. 視覚障害者の安全確保と自立性尊重の観点から、介助される側が介助者の手を把持する方法は適切ではありません。介助される側が介助者の肘や肩を軽く把持することが基本です。正しくは:平らな場所を歩く際は、介助者の肘や肩を軽く把持してもらう。選びやすい理由:介助者が手を差し伸べることで安心感を与えることができる、という誤解から選ばれる可能性があります。混同注意:介助の際の身体接触の基本を理解していない場合、漠然と「手を繋ぐ」というイメージで混同しやすいです。
- 2. 正解。バスや電車、段差のある場所へ乗り込む際は、介助者が先に進み、手すりや座席の位置、あるいは車両の段差を口頭で案内しながら、介助される側が安全に続いて移動できるよう誘導することが適切です。混同注意:階段の上り下りと混同しやすく、介助者が後から乗ると誤解しやすいかもしれません。
- 3. 正解。階段を降りる際も、介助者が一歩先に降りることで、介助される側は介助者の動きに合わせて段差を把握しやすくなります。介助者は足元や段差の状況を声で伝えながら安全を確保します。混同注意:階段を上るときと混同しやすい。上る際は介助者が一歩後ろからついていく場合があるため。
- 4. 混雑時であっても、電車に乗る際は介助者が先に乗り込み、介助される側を安全に誘導するのが原則です。介助者が後から乗ると、介助される側が途中で挟まれたり、方向を見失ったりする危険があります。正しくは:混雑した電車に乗る際は、介助者が先に乗り込む。選びやすい理由:介助される側を先に押し込む形でサポートするという誤解から選ばれる可能性があります。また、後ろから支える方が安全だと感じる人もいるかもしれません。混同注意:エレベーターやエスカレーターの乗り方と混同しやすい。また、介助の基本である「誘導」の理解が不十分な場合に誤りやすいです。
- 5. 手前に引いて開けるドアの場合、介助者が先に中に入ると、介助される側にドアが閉まる危険があるため不適切です。この場合は、介助される側が先にドアを通過し、介助者がドアを保持して通過をサポートするのが適切です。正しくは:手前に引いて開けるドアを通過する際は、介助者がドアを開けて保持し、介助される側が先に通過する。選びやすい理由:他の移動時と同様に介助者が先導すると考えやすい。また、早く移動させたいという気持ちから選ばれる可能性があります。混同注意:押し開けるドアの場合と混同しやすい。押し開けるドアでは介助者が先に開けて通過し、ドアを保持することが適切です。ドアの種類による対応の違いを理解していない場合に誤りやすいです。
国試ポイント
この問題は、視覚障害者介助の基本的な原則と、特に段差や乗り物の乗降、ドアの通過といった具体的な場面での適切な介助方法を問うものです。介助者がどの位置で、どのように誘導するべきか、特に「介助者が先行するか、後続するか」の判断が重要になります。複数の選択肢を選ぶ形式は、介助の多様な側面を網羅的に理解しているかを測る意図があります。
混同注意
介助者が先行すべき場面と、介助者が後続したりサポートに徹するべき場面(例:エレベーターからの降車、手前に引くドア)が混同されやすいです。また、介助方法に関する一般的な誤解(例:手を繋ぐ)も選択肢として含まれており、正しい介助技術の理解が求められます。
次に同じ論点が出たら
次に類似の論点が出題された場合、介助者が「先行すべき場面」と「後続すべき場面」、そして「ドアの種類に応じた具体的な介助方法」が正しく判断できるかに注目します。また、歩行介助の基本姿勢(肘や肩を把持する)や、介助時の声かけの内容についても問われる可能性があります。
関連知識
視覚障害者の介助には、ガイドヘルプの原則(半歩前、声かけ、情報提供)、誘導杖や白杖の知識、ドアの開閉(押しドアと引きドアの違い)、階段の上り下り、エスカレーター・エレベーターの利用、バス・電車・タクシーなどの交通機関の利用方法に関する知識が必要です。また、介助する側の心構えとして、障害者の残存能力を尊重し、過度な介助を避けることも重要です。