心不全のない急性心筋梗塞患者の退院後運動指導として適切なのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
心不全のない急性心筋梗塞患者の退院後運動指導では、心血管疾患予防のための生活習慣の改善が重要です。特に有酸素運動は心肺機能の向上や危険因子の改善に有効であり、週に3日以上の頻度で継続することが推奨されています。適切な強度と時間を守りつつ、長期的な運動習慣を身につけることが目標となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 急性心筋梗塞後のリハビリ初期において、ジョギングのような中強度以上の運動は、心臓への負担が大きく、不整脈や再梗塞のリスクを高める可能性があります。ウォーキングなどから段階的に始めるべきです。正しくは:ウォーキングなど、より低強度の有酸素運動から始めるべきです。選びやすい理由:運動習慣をつけることは重要であるため、運動開始の選択肢として魅力的に感じるかもしれませんが、運動強度が高すぎます。混同注意:退院後の運動療法の目的と運動強度の段階付けについて混同しやすいです。
- 2. 等尺性運動は、運動中に血圧が急激に上昇しやすく、心臓への後負荷が増大するため、急性心筋梗塞後の不安定な時期には原則として推奨されません。心臓に過度な負担をかける可能性があります。正しくは:等張性収縮による低負荷の筋力トレーニングから始めるべきです。選びやすい理由:筋力増強もリハビリの一環として重要であるため、運動の種類として選びたくなるかもしれませんが、心臓への負担を考慮する必要があります。混同注意:等尺性運動と等張性運動の違い、および心疾患患者におけるそれぞれの適応について混同しやすいです。
- 3. 有酸素運動は心拍数増加を伴うことで心肺機能の向上を促します。心拍数を増加させない運動では、心肺機能改善効果は限定的です。ただし、過度な心拍数増加は避けるべきであり、目標心拍数を設定することが重要です。正しくは:運動中の目標心拍数を設定し、その範囲内で運動を行うべきです。選びやすい理由:心臓に負担をかけたくないという思いから、心拍数を上げないという選択肢は安全に思えるかもしれませんが、リハビリ効果が得られません。混同注意:心拍数管理の重要性と、運動による心拍数上昇がもたらす生理的効果について混同しやすいです。
- 4. 急性心筋梗塞後のリハビリ初期において、Borg指数16(きつい)は心臓への負担が大きすぎます。一般的には、退院後の初期段階ではBorg指数11~13(楽である~ややきつい)程度が推奨されます。正しくは:Borg指数11~13レベル(楽である~ややきつい)程度の運動を目標とすべきです。選びやすい理由:Borg指数は運動強度を評価する有用な指標であるため、選びたくなるかもしれませんが、そのレベルが適切ではありません。混同注意:Borgスケールを用いた運動強度設定の理解と、心疾患患者における適切な強度レベルについて混同しやすいです。
- 5. 正解。心筋梗塞後の心臓リハビリテーションでは、心肺機能の向上と再発予防のため、適切な強度・時間・頻度での有酸素運動が推奨されます。一般的なガイドラインでは、週3~5日以上の有酸素運動が効果的であるとされています。
国試ポイント
急性心筋梗塞後の心臓リハビリテーションにおける運動療法の原則、特に運動の種類、強度、時間、頻度について正しく理解しているかどうかが問われる問題です。各選択肢の運動が心臓に与える影響や、適切な運動強度の設定方法(Borg指数、心拍数など)に関する知識も重要です。
混同注意
運動が心臓に良いという漠然とした知識から、不適切な運動種類や強度の選択肢を選んでしまう可能性があります。特に、等尺性運動や高強度の運動が心臓に与える悪影響、あるいは適切な運動強度設定の具体的な数値(Borg指数や心拍数)が混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の論点が出題された場合、運動の種類(有酸素運動、筋力トレーニングの種類)、運動強度(心拍数、Borg指数、METs)、運動頻度、運動時間、運動を中止すべき症状、運動時の注意事項(薬剤の影響など)を複合的に問う問題が出題される可能性があります。
関連知識
心臓リハビリテーションの段階付け(急性期、回復期、維持期)、運動負荷試験の結果に基づく運動処方、虚血閾値の設定、心電図モニタリングの重要性、禁忌事項、合併症のリスク管理。