サルコペニア(AWGS 2019〈Asian Working Group for Sarcopenia 2019〉)の評価項目はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
AWGS2019のサルコペニア診断基準では、スクリーニング後に筋量、筋力、身体能力の3つの主要項目を評価します。このうち、筋量(四肢骨格筋量指数など)と身体能力(歩行速度など)が直接的な評価項目です。握力などの筋力も評価項目ですが、選択肢には含まれていません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。AWGS2019の診断基準では、サルコペニアの可能性をスクリーニングする項目、および確定診断を行う上での主要評価項目の一つとして筋量が含まれます。DXA法や生体電気インピーダンス法(BIA法)などで測定され、四肢骨格筋量指数(ASMI)が用いられます。
- 2. 身長自体はサルコペニアの直接的な評価項目ではありません。ただし、筋量を評価する際の指標である四肢骨格筋量指数(ASMI = 四肢骨格筋量/身長^2)の算出に用いられるため、間接的に関連はあります。正しくは:身長ではなく、筋量や筋力、身体能力などが直接的な評価項目です。選びやすい理由:BMI(肥満度指数)やASMI(四肢骨格筋量指数)などの算出に身長が使われるため、評価項目の一部であると誤解しやすいかもしれません。混同注意:BMIやASMIの構成要素と、サルコペニアの直接的な診断基準項目を混同しやすいです。
- 3. 体重はサルコペニアの直接的な評価項目ではありません。ただし、非意図的な体重減少はサルコペニアと関連するフレイルの指標の一つであり、間接的に関連する場合があります。正しくは:体重ではなく、筋量や筋力、身体能力などが直接的な評価項目です。選びやすい理由:高齢者の体重減少がフレイルや低栄養状態と関連が深いため、サルコペニアの指標の一つであると誤解しやすいです。混同注意:体重減少とサルコペニアを直接的な診断基準として混同しやすいです。サルコペニアの診断は主に筋量、筋力、身体能力の低下に基づきます。
- 4. 骨密度はサルコペニアの直接的な評価項目ではありません。骨密度が低下する骨粗鬆症とサルコペニア(筋量・筋力低下)は共に加齢に伴う疾患であり、互いに併発しやすい(サルコペニア性骨粗鬆症)ですが、診断基準は異なります。正しくは:骨密度ではなく、筋量や筋力、身体能力などが直接的な評価項目です。選びやすい理由:サルコペニアと骨粗鬆症は併発しやすく、それぞれがフレイルの構成要素でもあるため、関連疾患として混同しやすいです。混同注意:サルコペニアと骨粗鬆症は「ロコモティブシンドローム」の構成要素として関連しますが、診断基準は別々のものです。
- 5. 正解。AWGS2019の診断基準では、サルコペニアの重症度を評価する項目、および確定診断における身体能力の評価項目の一つとして歩行速度が含まれます。通常、4メートル歩行テストの速度(m/s)が用いられます。
国試ポイント
サルコペニアの診断基準は、AWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)やEWGSOP(European Working Group on Sarcopenia in Older People)など複数の国際的な提唱がありますが、理学療法士国家試験では特にAWGS2019の基準が問われることが多いです。主要な評価項目(筋量、筋力、身体能力)とその具体的な測定方法やカットオフ値について正確に理解しておく必要があります。特に、筋量と身体能力は確定診断の必須項目として、筋力は重症度の評価項目として位置づけられます。
混同注意
サルコペニアの診断基準と、フレイルの評価基準、あるいはロコモティブシンドロームの診断基準を混同しやすいです。これらは関連性の深い概念ですが、それぞれの具体的な評価項目やカットオフ値は異なります。また、筋量の評価指標(例:ASMI)と、その算出に用いる身体計測値(例:身長)を混同することもあります。
次に同じ論点が出たら
サルコペニアの診断基準を問われた際は、まずAWGS2019かEWGSOP2かを確認します。その後、診断のフローチャート(スクリーニング、可能性の評価、確定診断、重症度評価)を思い出し、それぞれの段階でどのような項目が、どの程度のカットオフ値で用いられるかを整理して選択肢を検討します。特に、筋量・筋力・身体能力の3大要素は確実に押さえる必要があります。
関連知識
サルコペニアの診断基準(AWGS2019、EWGSOP2)、フレイルの評価基準(CHS基準)、ロコモティブシンドロームの診断基準、筋力測定(握力)、身体能力測定(TUG、CS-30)、筋量測定(DXA、BIA)、サルコペニアの病態生理、運動療法・栄養療法、骨粗鬆症。