脳卒中後の左片麻痺患者の生活環境を整えることとした。ベッドとポータブルトイレの位置で適切なのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
左片麻痺患者の場合、麻痺のない右側からベッドへの出入りやポータブルトイレへの移乗を行うことが、安全確保と自立促進のために重要です。図①の配置では、ベッドの右側にポータブルトイレが置かれており、患者が非麻痺側を使って移乗しやすい環境が整っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。左片麻痺患者にとって、麻痺のない右側からベッドへの出入りやポータブルトイレへの移乗を行うことが安全かつ自立に繋がりやすいです。図①では、ベッドの麻痺のない右側にポータブルトイレが配置されており、介助や自立した移乗がしやすい位置関係と言えます。選びやすい理由:他の選択肢は、麻痺側である左側にポータブルトイレが配置されていたり、ベッドから遠すぎたりするため、移乗が困難になる可能性があります。混同注意:図を参照し、患者の麻痺側(左)と非麻痺側(右)を正確に把握した上で、どちらからの介助・移乗が適切かを判断する必要があります。左右を混同すると誤った選択肢を選んでしまいます。
- 2. 図②では、ベッドの左側(麻痺側)にポータブルトイレが配置されており、左片麻痺患者が自力で、または介助を受けて安全に移乗するには不向きな配置です。正しくは:ベッドの右側(非麻痺側)にポータブルトイレを配置するべきです。選びやすい理由:一見するとベッドに近いように見えますが、患者の麻痺側を考慮すると適切な配置ではありません。混同注意:麻痺側と非麻痺側の区別が曖昧だと、このような配置を選んでしまう可能性があります。
- 3. 図③では、ポータブルトイレがベッドから離れた位置にあり、左片麻痺患者が安全に移乗するには移動距離が長く、転倒のリスクが高まります。また、配置によっては麻痺側からのアプローチとなる可能性もあります。正しくは:ポータブルトイレはベッドの非麻痺側(右側)に、かつ容易に移乗できる距離に配置するべきです。選びやすい理由:ベッドから離れた位置にあるため、スペースは確保されているように見えますが、移乗の安全性と容易さを損ないます。混同注意:生活動線の広さだけでなく、移乗時の身体的な負担や安全性を優先して考える必要があります。
- 4. 図④では、ベッドの左側(麻痺側)にポータブルトイレが配置されており、左片麻痺患者が安全に移乗するには不適切です。また、ベッドの足元方向への移動が必要となる可能性もあります。正しくは:ベッドの右側(非麻痺側)にポータブルトイレを配置するべきです。選びやすい理由:ベッドの端に配置されているように見えますが、麻痺側への配置であるため選択肢としては不適切です。混同注意:配置の向きやアプローチの方向を考慮せず、単にベッドに近いというだけで判断すると誤ります。
- 5. 図⑤では、ポータブルトイレがベッドから大きく離れた位置にあり、かつ患者の麻痺側である左側からのアプローチとなる可能性が高く、安全な移乗を困難にします。正しくは:ポータブルトイレはベッドの非麻痺側(右側)に、かつ容易に移乗できる距離に配置するべきです。選びやすい理由:部屋の広さから考えると配置の自由度があるように見えますが、患者の身体状況を考慮すると不適切な配置です。混同注意:生活環境の整備は、患者の身体機能や安全性、自立度を最優先に考える必要があります。見た目の配置バランスだけで判断しないようにしましょう。
国試ポイント
脳卒中片麻痺患者の生活環境整備において、麻痺側と非麻痺側を考慮した安全かつ自立を促す物品配置の知識が問われています。特にベッド・トイレ間の移乗におけるアプローチの方向性は重要です。
混同注意
ベッドからの移乗において、麻痺側と非麻痺側のどちらに物品を配置すべきか、距離はどの程度が適切かについて混乱しやすい可能性があります。介助者の介入を前提とするか、患者の自立を促すかを考慮することも重要です。
次に同じ論点が出たら
この問題で適切な選択肢を選べた場合、さらに異なる種類の福祉用具(シャワーチェア、車椅子など)の適切な配置や、ADL動作別の環境整備について検討する問題に取り組むと良いでしょう。もし間違えた場合は、片麻痺患者の身体特性と基本的な生活動作(ADL)への影響を再確認してください。
関連知識
片麻痺患者の移乗介助方法(ボード移乗、立位介助)、福祉用具(手すり、介助バーなど)の活用、動線計画、住宅改修の知識。また、利き手や認知機能の有無によっても環境設定の注意点は変化します。