続発性骨粗鬆症発症の危険因子はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
関節リウマチは全身性の炎症性疾患であり、炎症性サイトカインの作用や、治療に用いられるステロイド薬が骨吸収を促進し、骨形成を抑制することで続発性骨粗しょう症のリスクを高めます。
選択肢ごとの解説
- 1. 肥満は骨密度を増加させる傾向があり、骨粗しょう症のリスクを軽減すると考えられています。特に荷重部位では骨形成が促進されます。正しくは:肥満は通常、骨粗しょう症のリスクを低下させる因子です。選びやすい理由:生活習慣病の一つであるため、なんとなく悪い影響があると考えがちです。混同注意:他の生活習慣病のリスク因子と混同されることがあります。
- 2. 副腎不全は副腎皮質ホルモン(コルチゾールなど)の分泌低下を伴います。コルチゾールは骨吸収を促進し、骨形成を抑制するため、その分泌が低下する副腎不全では骨粗しょう症のリスクはむしろ低下する可能性があります。ただし、副腎不全による全身状態悪化や栄養不良は間接的に影響することもあります。正しくは:副腎皮質ステロイドの過剰な分泌(クッシング症候群など)が骨粗しょう症のリスク因子となります。副腎不全とは異なります。選びやすい理由:ホルモン異常が原因となる疾患であるため、骨代謝に影響を与えそうだと推測しやすいです。混同注意:副腎皮質ステロイドの「過剰」と「不足」の影響を混同しやすいです。また、薬剤によるステロイド誘発性骨粗しょう症と混同することもあります。
- 3. 正解。関節リウマチは、全身性の炎症性疾患であり、炎症性サイトカイン(例: TNF-α, IL-6)の増加が骨吸収を促進し、骨形成を抑制することで骨粗しょう症のリスクを高めます。また、治療に用いられるステロイド薬も骨粗しょう症のリスク因子となります。選びやすい理由:炎症性疾患であるため、骨に対する直接的な影響をイメージしにくいかもしれませんが、全身性の炎症が骨代謝に大きく関与します。
- 4. 甲状腺ホルモンは骨代謝を促進しますが、甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモン分泌が低下するため、骨代謝回転はむしろ遅延します。骨粗しょう症のリスクは甲状腺機能亢進症(過剰分泌)で高まります。正しくは:甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモン過剰)が骨粗しょう症のリスクを高めます。選びやすい理由:ホルモン異常が骨代謝に影響を与えることは理解できますが、亢進と低下の影響を逆に捉えやすいです。混同注意:甲状腺機能「亢進」症と混同しやすいです。どちらもホルモン関連疾患であるため、影響を混同しがちです。
- 5. 副甲状腺機能低下症では、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌が低下し、血中カルシウム濃度が低下します。PTHは骨吸収を促進し、血中カルシウムを上昇させる作用があるため、その機能が低下すると骨吸収はむしろ抑制され、骨密度の低下には直接的にはつながりにくいです。むしろ、副甲状腺機能亢進症が骨粗しょう症のリスクを高めます。正しくは:副甲状腺機能亢進症(PTH過剰分泌)が骨粗しょう症のリスクを高めます。選びやすい理由:副甲状腺ホルモンがカルシウム代謝に関わるため、骨に影響があると推測できますが、亢進と低下の影響を逆に捉えやすいです。混同注意:副甲状腺機能「亢進」症と混同しやすいです。また、カルシウム代謝に影響する他の疾患と混同することもあります。
国試ポイント
骨粗しょう症のリスク因子、特に二次性骨粗しょう症の原因となる疾患や薬剤に関する知識が問われています。各選択肢の疾患が骨代謝に与える影響(促進、抑制、または関係なし)を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
ホルモン系の疾患(甲状腺、副腎、副甲状腺)における「機能亢進」と「機能低下」の影響を混同しやすいです。どちらが骨密度を低下させるのかを明確に区別する必要があります。また、肥満は一般的に骨粗しょう症のリスクを軽減する因子であることを理解しているかもポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出題された場合、より詳細な続発性骨粗しょう症の原因疾患や薬剤性骨粗しょう症について問われる可能性があります。それぞれの病態が骨代謝にどのように影響するか(骨形成促進・抑制、骨吸収促進・抑制など)を理解することが重要です。
関連知識
続発性骨粗しょう症の原因として、内分泌疾患(クッシング症候群、甲状腺機能亢進症、原発性副甲状腺機能亢進症など)、薬剤性(ステロイド、抗てんかん薬、胃酸分泌抑制薬など)、炎症性疾患(関節リウマチ、炎症性腸疾患など)、不動、栄養不良、慢性腎臓病などが挙げられます。