骨肉腫で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
骨肉腫は非常に悪性度の高い骨腫瘍であり、血行性転移を起こしやすい特性を持っています。特に肺は骨肉腫の最も一般的な転移部位であり、診断時や治療後に肺転移が認められることは稀ではありません。これは、骨肉腫の細胞が血管内に侵入し、血流に乗って肺に到達するためです。肺転移の有無は予後に大きく影響するため、定期的な画像検査(胸部X線やCT)によるモニタリングが不可欠です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。骨肉腫は悪性度が高く、血行性転移を起こしやすい腫瘍です。特に肺への転移は最も頻繁に見られ、骨肉腫患者の予後を大きく左右する要因となります。
- 2. 骨肉腫は骨組織を破壊・浸潤するため、局所の痛み(特に運動時痛や夜間痛)は主要な症状の一つです。病状の進行とともに痛みは増強します。正しくは:運動時痛や夜間痛は主要な症状の一つです。選びやすい理由:初期段階では痛みが軽度である場合があるため、少ないと誤解されるかもしれません。混同注意:他の良性骨腫瘍や、初期の骨折など、痛みのパターンが異なる疾患と混同する可能性があります。
- 3. 骨肉腫は、一般的に10歳代の成長期に最も多く発生します(一次性骨肉腫)。壮年期(30歳以上)での発生も稀にありますが、小児〜青年期に多いのが特徴です。正しくは:主に10歳代の成長期に好発します。選びやすい理由:全ての年代で発生する可能性はありますが、最も頻度が高い年代を把握しているかで正誤が分かれます。混同注意:他の種類の肉腫(例:脂肪肉腫、悪性線維性組織球腫など)が壮年期に好発するものと混同する可能性があります。
- 4. 骨肉腫の好発部位は、四肢の長管骨の骨端部(骨幹端部)が最も多く、特に膝関節周囲(大腿骨遠位、脛骨近位)に発生頻度が高いです。大腿骨近位部(股関節周囲)も発生部位の一つではありますが、膝関節周囲ほど多くはありません。正しくは:大腿骨の遠位や脛骨の近位など、膝関節周囲に発生することが多いです。選びやすい理由:大腿骨は好発部位の一つであるため、部分的な情報で正しいと判断してしまう可能性があります。混同注意:ユーイング肉腫や軟骨肉腫など、他の骨腫瘍の好発部位と混同する可能性があります。
- 5. 骨肉腫は骨形成を伴う腫瘍であり、骨芽細胞の活動が亢進します。このため、骨形成マーカーである血中アルカリフォスファターゼ(ALP)値は上昇することが一般的です。活動性の疾患指標として用いられます。正しくは:血中のアルカリフォスファターゼ(ALP)値が上昇することが多いです。選びやすい理由:ALP値が変動する疾患は多いため、その具体的な変動方向を覚えていないと間違えやすいです。混同注意:骨吸収が主体の疾患(例:多発性骨髄腫の一部など)でALPが正常または低下する場合と混同する可能性があります。
国試ポイント
骨肉腫の基本的な病態生理、臨床症状、好発部位、好発年齢、検査所見、および転移部位に関する知識が問われています。特に、悪性骨腫瘍における転移の重要性と、それに伴う生化学的マーカーの変化を正確に理解しているかが鍵となります。
混同注意
他の骨腫瘍(良性・悪性問わず)や、骨転移をきたしやすい他の癌腫(例:肺癌、乳癌、前立腺癌など)の特徴と混同しやすいです。特に好発年齢や好発部位、生化学的マーカーの変動は、疾患によって異なるため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に骨肉腫の問題が出た場合、初期症状の詳細(夜間痛、腫脹)、画像所見(Codman三角、Sunburst appearance)、治療の原則(多剤併用化学療法、肢温存術)、予後予測因子、およびリハビリテーションの注意点などが問われる可能性があります。
関連知識
骨肉腫の主な治療法(術前化学療法、広範切除術、術後化学療法)、予後因子(転移の有無、腫瘍の大きさ、組織学的反応)、その他の転移部位(他の骨、肝臓など)、および画像診断(X線、MRI、CT、骨シンチグラフィ)における特徴についても理解しておくべきです。