運動神経線維のみの脳神経はどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
脳神経は機能別に、純粋な感覚神経、純粋な運動神経、感覚と運動の両方を含む混合神経に分類されます。本問題の選択肢のうち、滑車神経(第IV脳神経)は眼球運動の上斜筋を支配する純粋な運動神経であり、舌下神経(第XII脳神経)は舌の運動筋を支配する純粋な運動神経です。これらには感覚線維が含まれません。一方、三叉神経(第V脳神経)、顔面神経(第VII脳神経)、舌咽神経(第IX脳神経)は、それぞれ感覚機能と運動機能の両方を持つ混合神経であるため、誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。滑車神経(第IV脳神経)は、眼球の上斜筋を支配する純粋な運動神経であり、感覚線維を含みません。
- 2. 三叉神経(第V脳神経)は、顔面の知覚(感覚線維)と咀嚼筋の運動(運動線維)を司る混合神経です。運動神経線維のみではありません。正しくは:三叉神経は感覚神経線維と運動神経線維の両方を含む混合神経である。選びやすい理由:咀嚼筋の運動という強い運動要素があるため、運動神経と誤認しやすいですが、顔面の広範囲の知覚も担っています。混同注意:他の混合神経(例:顔面神経、舌咽神経)や、純粋な運動神経(例:動眼神経、外転神経)と混同されることがあります。
- 3. 顔面神経(第VII脳神経)は、顔面表情筋の運動(運動線維)のほか、舌前2/3の味覚(特殊感覚線維)や涙腺・唾液腺の分泌(副交感神経線維)を司る混合神経です。運動神経線維のみではありません。正しくは:顔面神経は運動、感覚、副交感神経線維を含む混合神経である。選びやすい理由:顔面表情筋を動かす主要な神経であるため、運動神経としての印象が強く、純粋な運動神経と誤解されがちです。混同注意:純粋な運動神経である滑車神経や舌下神経、あるいは嚥下や発声に関わる他の混合神経(例:舌咽神経、迷走神経)と混同しやすいです。
- 4. 舌咽神経(第IX脳神経)は、嚥下に関わる一部の咽頭筋の運動(運動線維)に加え、舌後1/3の味覚・知覚(特殊感覚線維・一般感覚線維)や耳下腺の分泌(副交感神経線維)を司る混合神経です。運動神経線維のみではありません。正しくは:舌咽神経は運動、感覚、副交感神経線維を含む混合神経である。選びやすい理由:咽頭筋の運動に関わるため、運動機能が注目されやすいですが、舌の感覚も重要な機能です。混同注意:舌の運動を司る舌下神経や、他の嚥下に関わる神経(例:迷走神経)と混同されやすいです。
- 5. 正解。舌下神経(第XII脳神経)は、舌の運動に関わる内外舌筋を支配する純粋な運動神経であり、感覚線維を含みません。
国試ポイント
脳神経の分類(純粋な感覚、純粋な運動、混合)と、それぞれの脳神経が持つ主要な機能(支配筋、感覚領域、自律神経支配など)を正確に理解しているかを問う問題です。特に、純粋な運動神経と混合神経の運動成分を区別することが重要になります。
混同注意
混合神経が持つ運動成分と、純粋な運動神経を混同しやすいです。例えば、顔面神経が顔面表情筋の運動を司るため、純粋な運動神経と誤認されやすいですが、味覚などの感覚機能も持ちます。また、舌や嚥下に関連する複数の脳神経(舌下神経、舌咽神経、迷走神経など)の機能の違いが曖昧になりやすいです。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われるとしたら、特定の脳神経が支配する具体的な筋肉や、特定の感覚領域(例:味覚の部位)を挙げ、それがどの脳神経に属するかを問う形式が考えられます。また、特定の疾患や損傷によって生じる症状から、障害されている脳神経を特定する問題も頻出です。
関連知識
以下の脳神経は純粋な運動神経として知られています。 * 動眼神経(第III脳神経):ほとんどの外眼筋、瞳孔括約筋、毛様体筋 * 滑車神経(第IV脳神経):上斜筋 * 外転神経(第VI脳神経):外側直筋 * 副神経(第XI脳神経):胸鎖乳突筋、僧帽筋 * 舌下神経(第XII脳神経):舌筋 これらの神経は、感覚線維を持たない点が共通しています。その他の脳神経は感覚機能(嗅覚、視覚、聴覚、平衡覚、顔面知覚、味覚など)を単独で持つか、運動機能と感覚機能の両方を持つ混合神経です。