Tinel徴候が陽性となるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
Tinel徴候は、末梢神経が損傷または圧迫されている部位を叩くと、その神経の支配領域に放散する疼痛やしびれが生じる現象です。手根管症候群では、手根管内で正中神経が圧迫されるため、手根管上を叩くと正中神経の支配領域にしびれや痛みが誘発され、Tinel徴候が陽性となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 視床症候群は、脳の視床が障害されることで感覚障害(特にアロディニアや自発痛)や運動障害、不随意運動などが出現する中枢神経系の疾患です。Tinel徴候は末梢神経の障害で生じるものであり、関連がありません。正しくは:Tinel徴候とは関連がありません。選びやすい理由:他の選択肢と似たような「症候群」という名称のため、漠然とした知識で選んでしまう可能性があります。混同注意:他の神経関連の症候群と混同する可能性があります。
- 2. 正解。手根管症候群は、手根管内で正中神経が圧迫されることにより発生します。Tinel徴候は、損傷された末梢神経を軽く叩くと、その神経の支配領域に放散痛やしびれが生じる現象です。手根管症候群では、手根管上を叩くと正中神経の支配領域(母指から環指橈側半分)にしびれや痛みが放散するため、Tinel徴候が陽性となります。選びやすい理由:Tinel徴候が特徴的な所見であるため、知っていれば迷わず選べます。混同注意:Phalen(ファーレン)テストやDurkan(ダーカン)テストなど、手根管症候群の他の誘発テストと混同する可能性はありますが、Tinel徴候も重要な診断基準の一つです。
- 3. Cushing症候群は、副腎皮質ホルモンの過剰分泌によって引き起こされる内分泌疾患です。満月様顔貌、中心性肥満、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症などが特徴で、Tinel徴候とは直接的な関係がありません。正しくは:Tinel徴候とは関連がありません。選びやすい理由:「症候群」という言葉から、何らかの身体症状と関連があるように思わせるかもしれません。混同注意:全く異なる病態ですが、病名が似たような響きを持つ他の症候群と混同することがあるかもしれません。
- 4. 内側縦束症候群は、脳幹の内側縦束という眼球運動に関わる神経路の障害により、共同偏視などの眼球運動障害が生じる中枢神経系の疾患です。Tinel徴候は末梢神経の損傷部位で陽性となるため、関連がありません。正しくは:Tinel徴候とは関連がありません。選びやすい理由:これも中枢神経系の「症候群」であり、神経系の知識の曖昧さから選んでしまう可能性があります。混同注意:末梢神経障害と中枢神経障害の区別が曖昧だと混同しやすいです。
- 5. Shy-Drager症候群は、多系統萎縮症の一病型として知られ、進行性の自律神経障害(起立性低血圧、排尿障害など)と小脳失調、パーキンソニズムなどを特徴とする神経変性疾患です。末梢神経の圧迫によるTinel徴候とは直接的な関連はありません。正しくは:Tinel徴候とは関連がありません。選びやすい理由:他の神経系の「症候群」と同様に、知識が曖昧だと選びやすいかもしれません。混同注意:これも中枢神経系の疾患であり、末梢神経障害との区別が重要です。
国試ポイント
Tinel徴候の概念と、それが陽性となる代表的な疾患(特に手根管症候群)を理解しているかどうかが問われています。末梢神経障害の評価における身体所見の知識が重要です。
混同注意
Tinel徴候を他の誘発テスト(例:Phalenテスト、Durkanテストなど)と混同することはありませんが、末梢神経障害と中枢神経障害の鑑別ができていないと、中枢神経疾患の選択肢を選んでしまう可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、Tinel徴候の陽性部位が具体的に問われたり、他の末梢神経障害におけるTinel徴候の意義について問われる可能性があります。また、Tinel徴候以外の末梢神経障害の誘発テスト(例:Phalenテスト)や、中枢神経疾患と末梢神経疾患の鑑別に関する問題が出題されることも考えられます。
関連知識
手根管症候群の診断には、Tinel徴候の他にPhalenテスト(手関節を最大掌屈させ、1分以内に正中神経領域にしびれが生じる)、Durkanテスト(手根管を直接圧迫し、30秒以内にしびれが生じる)などの誘発テストがあります。また、電気生理学的検査(神経伝導検査)も確定診断に用いられます。Tinel徴候は正中神経以外にも、尺骨神経麻痺(肘部管症候群など)や腓骨神経麻痺などで陽性となることがあります。