慢性閉塞性肺疾患の身体所見でみられやすいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、気流制限と肺の過膨張により肺の換気が障害され、呼吸音が減弱することが特徴的な身体所見です。特に呼気時間が延長し、空気の出入りが少なくなるため、聴診では呼吸音の低下が認められます。
選択肢ごとの解説
- 1. 慢性閉塞性肺疾患では、湿性咳嗽や喀痰を伴う咳が多く見られます。乾いた咳は間質性肺炎などで多く見られる症状です。正しくは:湿性咳嗽選びやすい理由:咳はCOPDの主要症状ですが、その性質が異なります。混同注意:咳の種類と原因疾患の関連性
- 2. 正解。慢性閉塞性肺疾患では、気流制限により換気が障害されるため、呼吸音は減弱することが多いです。特に呼気延長が顕著な場合、空気の動きが少なくなり聴取される音が小さくなります。正しくは:この記述は正しい。選びやすい理由:呼吸器疾患全般で呼吸音の変化はありますが、COPDに特有の所見です。混同注意:正常な呼吸音と異常な呼吸音の種類
- 3. 慢性閉塞性肺疾患では、肺の過膨張により打診音は一般的に鼓音(または過共鳴音)となります。濁音は胸水や肺炎など、肺の実質密度が増加している場合に聞かれます。正しくは:肺野打診時の鼓音または過共鳴音選びやすい理由:打診音の変化は重要ですが、COPDでは逆の変化が起こります。混同注意:打診音の種類と病態の関連性
- 4. 慢性閉塞性肺疾患では、肺の過膨張とbarrel chest(樽状胸郭)形成により、胸郭の可動性・柔軟性は低下することが一般的です。特に吸気時の胸郭拡張が制限されます。正しくは:胸郭柔軟性の低下選びやすい理由:高齢者では胸郭の柔軟性が低下する傾向にありますが、COPDでは疾患特異的な低下があります。混同注意:胸郭の形態変化と可動性の関連
- 5. 捻髪音(fine crackles)は、間質性肺炎や心不全など、肺胞や小気道の虚脱・再開通によって生じる音であり、慢性閉塞性肺疾患では通常聴取されません。COPDでは喘鳴やロンキー音が聞かれることがあります。正しくは:胸部聴診での喘鳴またはロンキー音選びやすい理由:異常呼吸音の一つですが、COPDに特徴的な音ではありません。混同注意:異常呼吸音の種類と原因疾患
国試ポイント
COPDの主要な身体所見と、それらが病態生理とどのように関連しているかを理解しているかが問われています。特に、聴診、打診、視診での特徴的な所見を把握しておく必要があります。
混同注意
COPD以外の呼吸器疾患(間質性肺炎、喘息、胸水など)の身体所見と混同しないように注意が必要です。それぞれの疾患に特徴的な身体所見を区別できるように学習することが重要です。
次に同じ論点が出たら
COPDの治療法や理学療法介入について、各身体所見からどのような評価や治療方針を立てるべきか判断できるか。
関連知識
COPDの視診:樽状胸郭、口すぼめ呼吸、accessory muscle use。打診:鼓音。聴診:呼吸音減弱、呼気延長、喘鳴。検査:スパイロメトリー(FEV1/FVC < 70%)。