狭心症について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
ニトログリセリンは、冠動脈を拡張させ心筋への血流を改善するとともに、末梢血管拡張により心臓の負荷(特に前負荷)を軽減することで、狭心症発作時の症状を迅速に改善する効果があります。そのため、狭心症の薬物療法として広く用いられています。
選択肢ごとの解説
- 1. 狭心症の痛みは通常数分から15分程度で収まる一過性のものです。30分以上持続する激しい胸痛は、心筋梗塞などより重篤な状態を示唆します。正しくは:激しい胸の痛みは通常、数分から15分程度で治まる。選びやすい理由:胸痛があるため、症状の強さや持続時間に意識が向きやすい。混同注意:心筋梗塞の持続時間(30分以上)と混同しやすい。
- 2. 狭心症発作時には、心筋への血流が一時的に低下するため、心エコー検査で壁運動の異常(低下)や拡張能の低下などが観察されることがあります。正しくは:心臓超音波検査では、発作時に壁運動の異常などが認められることがある。選びやすい理由:安静時狭心症の心エコーは異常がないことが多いので、その知識と混同しやすい。混同注意:安静時の心エコー所見と発作時の所見が混同しやすい。また、冠動脈の狭窄そのものは心エコーで直接診断しにくいことから、異常がないと誤解しやすい。
- 3. 不安定狭心症は、冠動脈プラークの破綻と血栓形成により、心筋梗塞へと進行するリスクが非常に高い状態です。急性冠症候群の一部とされ、緊急性の高い病態と位置づけられます。正しくは:不安定狭心症は心筋梗塞へ移行する危険性が高い。選びやすい理由:安定狭心症と不安定狭心症の区別が曖昧だと誤解しやすい。混同注意:安定狭心症との違いや、急性冠症候群という概念が混同しやすい。
- 4. 狭心症の典型的な心電図変化は、心筋虚血によるST低下です。ST上昇は主に異型狭心症(冠攣縮性狭心症)や急性心筋梗塞で認められる所見であり、労作性狭心症では一般的ではありません。正しくは:運動負荷心電図ではST低下が典型的な所見である。選びやすい理由:心電図変化があること自体は正しいので、ST上昇か下降かの区別が曖昧だと選びやすい。混同注意:ST低下とST上昇の区別、また労作性狭心症と異型狭心症・心筋梗塞における心電図所見の違いが混同しやすい。
- 5. 正解。ニトログリセリンは、血管平滑筋を弛緩させ、冠動脈を拡張させるとともに、末梢血管を拡張して心臓の負担を軽減することで、狭心症発作を速やかに緩和する効果があります。発作時の頓服薬として広く用いられます。選びやすい理由:正しい記述であるため、他の選択肢が誤りと判断できれば容易に選べる。混同注意:特に混同するものはないが、ニトログリセリンの作用機序(冠拡張、前負荷軽減)や副作用(頭痛、血圧低下)についても理解しておく必要がある。
国試ポイント
狭心症の病態生理、診断方法、治療法に関する基本的な知識が問われています。特に症状の持続時間、心電図所見、治療薬について正確な理解が求められます。
混同注意
狭心症と心筋梗塞の鑑別点(症状の持続時間、心電図変化)、安定狭心症と不安定狭心症の違い、労作性狭心症と異型狭心症の心電図所見の違いなどが混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された場合、狭心症の病型ごとの特徴(労作性、異型、不安定)、具体的な治療薬とその作用機序、そして運動療法や生活指導の注意点など、より詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
ニトログリセリンの作用機序、副作用、使用方法(舌下投与など)。他の抗狭心症薬(β遮断薬、カルシウム拮抗薬など)の種類と作用機序。心電図の各波形と虚血性変化。急性冠症候群の概念。