標準的な体格の成人における松葉杖の調整で正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
標準的な松葉杖の調整では、腋窩部と松葉杖の間に2〜3横指程度の隙間を確保し、肘関節を約30度屈曲させた状態で手元を握れるように設定します。これにより、腋窩部の神経血管束への圧迫を防ぎ、安定して体重を支持できるため、選択肢3が最も適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 腋窩部との間隔が狭すぎると、神経血管束の圧迫による合併症(松葉杖麻痺など)のリスクが高まります。また、肘関節の屈曲角度が10度では杖に体重をかけにくく、不安定になる可能性があります。正しくは:腋窩部との間隔は2〜3横指、肘関節の屈曲角度は30度が適切です。選びやすい理由:数字が組み合わされているため、知識が曖昧な場合に選択肢として迷う可能性があります。混同注意:松葉杖の調整には複数の数値基準があるため、それぞれの基準がどの部位に対応するか混同しやすいです。
- 2. 腋窩部との間隔が1横指では、神経血管束の圧迫による合併症のリスクがあります。肘関節の屈曲角度45度は、一般的に推奨される30度よりも深く、上肢への負担が大きくなる可能性があります。正しくは:腋窩部との間隔は2〜3横指、肘関節の屈曲角度は30度が適切です。選びやすい理由:肘関節屈曲角度が比較的大きい点は、ある程度体重を支えるイメージと結びつくかもしれませんが、推奨値ではありません。混同注意:各部位の数値基準が正確に記憶されていない場合に、誤った組み合わせを選んでしまうことがあります。
- 3. 正解。腋窩部との間隔を3横指開けることで、腋窩の神経血管束への圧迫を防ぎ、松葉杖麻痺などの合併症のリスクを低減します。また、肘関節の屈曲角度を30度にすることで、上肢で適切に体重を支持し、安定した歩行を可能にします。これは松葉杖調整の標準的な指針です。正しくは:この設定が標準的な松葉杖調整として正しいです。選びやすい理由:他の選択肢と似たような数字の組み合わせがあるため、正確な知識が必要です。混同注意:特に、腋窩部との間隔と肘関節の角度の数値は正確に覚える必要があります。
- 4. 腋窩部との間隔が3横指である点は適切ですが、肘関節の屈曲角度が45度では、一般的に推奨される30度よりも深く、上肢にかかる負担が大きくなり、効率的な歩行が妨げられる可能性があります。正しくは:肘関節の屈曲角度は30度が適切です。選びやすい理由:腋窩部との間隔が正しい部分があるため、肘関節の角度を誤って記憶している場合に選びがちです。混同注意:正しい情報の一部が含まれているため、より注意深く全体を評価する必要があります。
- 5. 肘関節の屈曲角度30度は適切ですが、腋窩部との間隔が5横指では広すぎます。これにより、松葉杖が不安定になりやすく、上肢への負担も不適切に増大する可能性があります。一般的には2〜3横指が推奨されます。正しくは:腋窩部との間隔は2〜3横指が適切です。選びやすい理由:肘関節の角度が正しい部分があるため、腋窩部との間隔が過剰であることを見落としやすいかもしれません。混同注意:数値の範囲が広すぎると、安定性や操作性が損なわれることを理解しておく必要があります。
国試ポイント
松葉杖の適切な調整方法は、理学療法士として必須の知識です。特に、腋窩部の神経血管束への圧迫(松葉杖麻痺)のリスクを避けるための腋窩部クリアランスと、適切な体重支持および安定歩行のための肘関節屈曲角度は頻出ポイントです。それぞれの数値基準(横指数、角度)を正確に覚えることが重要です。
混同注意
他の歩行補助具(T字杖、ロフストランド杖など)の調整方法と混同しないように注意が必要です。また、身長や体格によって微調整が必要な場合があることも念頭に置くべきです。
次に同じ論点が出たら
患者の身長や体格、筋力、バランス能力、疾患の状態に合わせて、提示された標準的な基準をどのように個別に調整すべきか判断できるか。また、松葉杖以外の歩行補助具の選択基準も理解しているか。
関連知識
松葉杖麻痺(橈骨神経麻痺など)、松葉杖の種類(腋窩杖、前腕支持型杖)、松葉杖歩行の種類(3点歩行、4点歩行、2点歩行など)、歩行器の調整方法。