水溶性ホルモンはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第56回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
ホルモンは化学構造によって水溶性か脂溶性かに大別され、それぞれ作用機序が異なります。水溶性ホルモンには、主にペプチドホルモン(例:グルカゴン、バゾプレッシン、インスリン、成長ホルモン)と一部のアミンホルモン(例:アドレナリン、ノルアドレナリン)があります。これらは細胞膜を通過できず、細胞膜上の受容体に結合して細胞内情報伝達系を活性化します。脂溶性ホルモンには、ステロイドホルモン(例:エストロゲン、コルチゾール、テストステロン、アルドステロン)と甲状腺ホルモン(サイロキシン)があり、細胞膜を通過して細胞内の受容体(核内受容体など)に結合し、遺伝子発現を調節します。
選択肢ごとの解説
- 1. エストロゲンは脂溶性(ステロイドホルモン)であり、細胞膜を自由に通過して細胞内の受容体と結合します。正しくは:エストロゲンは脂溶性ホルモンである。選びやすい理由:ホルモンの種類が多く、水溶性と脂溶性の区別が曖昧な場合に選択肢として迷いやすい。混同注意:他のペプチドホルモンやアミンホルモンと混同しやすい。
- 2. 正解。グルカゴンはアミノ酸が連なったペプチドホルモンであり、水溶性です。細胞膜上の受容体に結合して作用します。混同注意:インスリンなどの他のペプチドホルモンとの作用機序の区別。
- 3. コルチゾールは脂溶性(ステロイドホルモン)であり、細胞膜を自由に通過して細胞内の受容体と結合します。正しくは:コルチゾールは脂溶性ホルモンである。選びやすい理由:副腎皮質ホルモンとしての重要性から、名前は知っているため、知識が不確かな場合に選びやすい。混同注意:カテコールアミンなど、副腎から分泌される他のホルモンと混同しやすい。
- 4. サイロキシン(甲状腺ホルモン)はチロシン由来のアミン誘導体ですが、脂溶性が高く、細胞膜を通過して細胞内の受容体に結合します。正しくは:サイロキシンは脂溶性ホルモンである。選びやすい理由:アミン誘導体という分類から水溶性と誤解しやすい。また、遊離型は水に溶けるが、生体内ではほとんどがタンパク質結合型で輸送されるため、誤解を招きやすい。混同注意:カテコールアミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)などの水溶性アミンホルモンと混同しやすい。
- 5. 正解。バゾプレッシン(抗利尿ホルモン)はアミノ酸が連なったペプチドホルモンであり、水溶性です。細胞膜上の受容体に結合して作用します。混同注意:アルドステロンなど、水分調節に関わる他のホルモンとの区別。
国試ポイント
ホルモンの分類(水溶性/脂溶性)と、それに対応する作用機序(細胞膜受容体/細胞内受容体)が問われています。基本的なホルモンの名前と、それがどちらのタイプに属するかを正確に理解しているかが重要です。特に、サイロキシンがアミン誘導体でありながら脂溶性である点は頻出のひっかけポイントです。
混同注意
水溶性アミンホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)と、脂溶性アミン誘導体ホルモン(サイロキシン)の区別。ステロイドホルモンの構造(コレステロール由来)と、ペプチドホルモンの構造(アミノ酸鎖)。
次に同じ論点が出たら
この論点が再度出題された場合、選択肢に新たなホルモンが加わる可能性があります。主要なホルモン(特に内分泌系で頻出のもの)について、その化学分類と水溶性/脂溶性の区別、そしてそれに対応する作用機序を正確に覚えているかを確認しましょう。また、ホルモンの輸送形態(遊離型、結合型)に関する知識も問われる可能性があります。
関連知識
ホルモンの化学構造による分類(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン、アミンホルモン、脂肪酸誘導体ホルモン)。各ホルモンの分泌臓器、標的臓器、主な生理作用。細胞膜受容体と細胞内受容体の違いと、それに対応する情報伝達経路(例:Gタンパク質共役型受容体、チロシンキナーゼ型受容体、核内受容体)。