筋と足への作用との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第55回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・2番
解説
選択肢1の長母趾伸筋は、母趾伸展に加え、前脛骨筋群として足関節の背屈作用を持ちます。選択肢2の後脛骨筋は、足関節の底屈と足部の内がえしの両方を引き起こす主要な筋肉です。これら2つの組み合わせは正しいです。他の選択肢は、主要な作用や方向が誤っています。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。長母趾伸筋(extensor hallucis longus)は、母趾の伸展に加えて、足関節の背屈作用も持ちます。これは、脛骨神経が支配する前脛骨筋群の一つであるため、足関節背屈筋として機能します。
- 2. 正解。後脛骨筋(tibialis posterior)は、足関節の底屈と内がえし(内転・内反)の両方の作用を持つ主要な筋肉です。特に足底アーチの維持にも重要な役割を果たします。
- 3. 前脛骨筋(tibialis anterior)の主な作用は、足関節の背屈と足部の内がえし(内転・内反)です。外がえし作用はありません。正しくは:前脛骨筋: 足部の内がえし選びやすい理由:前脛骨筋と後脛骨筋の作用が混同されやすいですが、前脛骨筋は内がえし、後脛骨筋も内がえしです。外がえしは腓骨筋群の作用です。混同注意:外がえし(腓骨筋群)と内がえし(脛骨筋群)の区別、および足関節の背屈・底屈との組み合わせ。
- 4. 第三腓骨筋(fibularis tertius)は、足関節の背屈と足部の外がえし(外転・外反)の作用を持ちます。底屈作用はありません。正しくは:第三腓骨筋: 足関節の背屈選びやすい理由:腓骨筋群が外がえし作用を持つことは理解していても、底屈か背屈かの区別が曖昧だと誤りやすいです。第三腓骨筋は前脛骨筋と同じ区画にあり、足関節背屈筋です。混同注意:長腓骨筋・短腓骨筋の底屈作用と、第三腓骨筋の背屈作用の混同。
- 5. 長腓骨筋(fibularis longus)の主な作用は、足関節の底屈と足部の外がえし(外転・外反)です。背屈作用はありません。正しくは:長腓骨筋: 足関節の底屈選びやすい理由:腓骨筋群が外がえし作用を持つことは理解していても、底屈か背屈かの区別が曖昧だと誤りやすいです。混同注意:第三腓骨筋の背屈作用と、長腓骨筋・短腓骨筋の底屈作用の混同。
国試ポイント
この問題は、下腿と足部の主要な筋について、その支配神経、走行、そしてそれによって生じる足関節と足部の運動(背屈・底屈、内がえし・外がえし)を正確に理解しているかを問うものです。特に、似た名称の筋や同じ部位の筋でも作用が異なる場合があるため、細部の知識が求められます。外がえし/内がえしの定義(外反・外転、内反・内転)も重要です。
混同注意
前脛骨筋(内がえし)、後脛骨筋(内がえし)、長腓骨筋・短腓骨筋(外がえし)、第三腓骨筋(外がえし)の作用を混同しやすい。また、背屈筋と底屈筋の区別も重要です。特に第三腓骨筋が腓骨筋群でありながら背屈作用を持つ点が引っ掛けになりやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず各筋がどの神経に支配されているかを思い出し、それによって背屈・底屈のどちらに分類されるかを判別します。次に、その筋の走行をイメージし、内果または外果のどちらを通過するか、あるいはどの方向へ付着するかから、内がえし・外がえしのどちらの作用を持つかを判断します。
関連知識
各筋の起始・停止、神経支配(深腓骨神経、脛骨神経、浅腓骨神経)、筋の機能解剖。足関節の運動軸と足部の運動軸の関係。足底アーチの維持に関わる筋群。