成人に対する一次救命処置で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
一次救命処置における胸骨圧迫の頻度は、JRC蘇生ガイドライン2025(またはAHAガイドライン2020)で示されている通り、1分間に100回から120回のテンポが推奨されています。これは、心臓からの血流を最大限に維持するために不可欠な要素です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。成人に対する胸骨圧迫の標準的な速さは、国際的な蘇生ガイドライン(例:JRC蘇生ガイドライン、AHAガイドライン)に基づき、1分間に100回以上120回までとされています。これにより、適切な血流を維持し、組織への酸素供給を最大限に確保できます。
- 2. 成人の胸骨圧迫は、胸骨が約5 cm(6 cmを超えない)沈む強さで行います。1 cm程度では不十分です。正しくは:胸骨圧迫は胸骨が約5cm沈む程度の力で行います。選びやすい理由:胸骨圧迫の深さが求められる点は正しいが、具体的な数値が誤っているため選びやすい。混同注意:小児に対する胸骨圧迫の深さ(約1/3の深さ、具体的なセンチメートルは状況によるが成人より浅い)と混同しやすい。また、以前のガイドラインで示された「少なくとも5cm」という表現が「約5cm」に変わり、正確な数値の把握が求められる。
- 3. AEDによる電気ショック後は、心拍が再開しているかどうかに関わらず、直ちに胸骨圧迫を再開するのが基本です。電気ショック後の心臓は不安定な状態であり、早期の胸骨圧迫再開が予後改善に重要とされています。正しくは:AEDによる電気ショックが完了したら、直ちに胸骨圧迫を再開します。選びやすい理由:ショック後に状況を確認する時間が必要だと誤解しやすいため。混同注意:電気ショック後の脈拍確認や呼吸確認の時間と混同しやすいが、蘇生ガイドラインでは確認よりも圧迫の継続を優先する。
- 4. 人工呼吸は胸骨圧迫30回に対して2回の吹込みを行います。続けて10回以上吹き込むことはしません。選びやすい理由:人工呼吸の重要性を認識しているため、回数が多い方が良いと誤解しやすい。
- 5. AEDによる電気ショックを行う際には、感電防止のため、患者に触れている人がいないことを確認し、胸骨圧迫を一時的に中断して実施します。圧迫を続けながらのショックは、救助者への危険を伴います。正しくは:AEDによる電気ショックを実施する際には、感電防止のため、一時的に胸骨圧迫を中断し、周囲の安全を確認します。選びやすい理由:中断することなく蘇生を継続することが重要であるという認識から、圧迫を続けたいという気持ちが生まれるため。混同注意:胸骨圧迫の中断時間を最小限にすべきという原則と、安全確保のための電気ショック時の一時中断を混同しやすい。
国試ポイント
成人に対する一次救命処置(BLS)の基本手技に関する正確な知識、特に胸骨圧迫の頻度、深さ、人工呼吸の回数、AED使用時の注意点など、具体的な数値や手順が問われます。最新の蘇生ガイドラインに基づいた知識が必須です。
混同注意
胸骨圧迫の深さ(成人約5cm、小児約1/3)、圧迫と換気の比率(30:2)、AED使用時の安全性確保、ショック後の即時胸骨圧迫再開など、似たような数値や手順が複数あり、混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出題された場合、胸骨圧迫の深さ、圧迫と換気の比率、AEDの音声指示と操作手順、気道確保の方法、回復体位の適用条件など、一次救命処置の他の要素に関する具体的な数値や手順が問われる可能性が高い。また、乳児や小児に対するBLSとの違いにも注目する。
関連知識
JRC蘇生ガイドライン2025、AHAガイドライン2020、国際蘇生連絡委員会(ILCOR)の勧告、BLSアルゴリズム、小児の心肺蘇生法との違い。