筋力増強トレーニングの効果で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
等速性運動トレーニングは、設定した速度で最大の筋力発揮を可能にするため効果的ですが、その効果はトレーニング実施時の速度に最も強く現れる「速度特異性」という特性があります。そのため、トレーニングに用いた運動速度付近で特に大きな筋力向上が期待できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 他動運動や自動介助運動は、主に可動域の維持・拡大、循環促進、筋緊張緩和などを目的とします。筋力増強には、筋が最大限に収縮しようとする力、つまり抵抗に対する能動的な収縮が必要です。正しくは:筋力増強には、抵抗に対する自動的な収縮運動が不可欠です。選びやすい理由:介助が入るため、自力での負荷が不十分と感じやすい。混同注意:ストレッチや関節可動域訓練などの目的と混同しやすい。
- 2. 筋力増強の初期段階(トレーニング開始後数週間)では、主に神経系の適応(運動単位の動員数増加、発火頻度向上、協調性改善など)によって筋力が向上します。筋肥大はその後、数週間から数ヶ月かけて徐々に現れる二次的な効果です。正しくは:筋力増強の初期効果は、主に神経系の適応によるものです。選びやすい理由:筋肥大と筋力増強が密接に関連しているため、同時に起こると考えがち。混同注意:筋力増強と筋肥大の発生時期の順序を混同しやすい。長期的な筋力向上と初期の適応を区別できない。
- 3. 筋力増強トレーニングの効果を得るためには、適切な強度(最大抵抗の60%以上が目安)に加えて、十分な頻度と回数、セット数が必要です。月に数回では、筋への適切な刺激と回復のサイクルが不足し、継続的な筋力向上は期待できません。一般的には週に2~3回程度の頻度が必要です。正しくは:最大抵抗を用いたとしても、定期的な頻度で継続的に実施することで効果が得られます。選びやすい理由:「最大抵抗」という言葉に強く反応し、効果が高いと誤解しやすい。混同注意:トレーニングの強度、頻度、継続性のバランスを混同しやすい。単一の要素だけで効果が決まると考えやすい。
- 4. 正解。等速性運動(アイソキネティック運動)は、あらゆる関節角度で最大の抵抗をかけ続けることができるため、非常に効果的な筋力増強法です。しかし、その効果はトレーニングを行った速度に特異的であるという特性があります。これを「速度特異性」と呼び、トレーニング時の速度に近い速度での筋力発揮が最も向上します。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:速度特異性の概念を理解していれば正答できます。混同注意:等尺性運動や等張性運動との違いを理解していないと混乱する可能性はあります。
- 5. 筋力増強には、ある程度の抵抗(負荷)が必要です。非常に弱い抵抗では、回数を増やしても筋の適応を促す十分な刺激となりにくく、主に筋持久力の向上が期待されます。筋力増強には、一般的に最大筋力の60%以上の負荷を用いるのが効果的とされています。正しくは:最大筋力に比べて非常に弱い抵抗では、主に筋持久力の向上が期待され、筋力増強効果は限定的です。筋力増強には、ある程度の高負荷が必要です。選びやすい理由:高回数トレーニングが筋持久力向上に有効であることから、筋力増強にも応用できると誤解しやすい。混同注意:筋力トレーニングと筋持久力トレーニングの原則を混同しやすい。負荷強度と回数の関係性を誤解している。
国試ポイント
筋力増強トレーニングの生理学的効果、特に筋力増強の初期段階における神経系の適応、トレーニングの強度・頻度・量の原則、そして等速性運動の特性(速度特異性)について正確な知識が問われています。
混同注意
筋力増強と筋肥大の発生順序、筋力トレーニングと筋持久力トレーニングの負荷設定、様々な運動様式(等尺性、等張性、等速性)の特性と効果の違いが混同しやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が出た場合、各運動様式(等尺性、等張性、等速性)の特徴と、それぞれのトレーニングがもたらす主要な効果、そして「速度特異性」のようなトレーニングの原則を正確に理解しているかを問われるでしょう。
関連知識
筋力増強の原則(過負荷の原則、漸進性の原則、特異性の原則)、運動単位の動員、筋線維タイプの適応、リハビリテーションにおける各種運動療法の適用と効果。