NYHA分類で正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
NYHA分類は、患者が日常で感じる症状(呼吸困難、疲労など)の有無と程度に基づいて、心不全の重症度をI度からIV度まで段階的に評価する尺度です。この分類は、患者の自覚症状という主観的な情報に基づいており、客観的な検査データだけでは捉えきれない生活の質や活動能力を反映しています。
選択肢ごとの解説
- 1. NYHA分類は心不全の重症度を自覚症状に基づいて評価するものであり、病気の原因(例:虚血性心疾患、弁膜症など)を特定するものではありません。正しくは:NYHA分類は心不全の重症度を評価するための分類方法です。選びやすい理由:分類という言葉から、病態の解明に役立つと誤解しやすいかもしれません。混同注意:心疾患の原因分類(例:虚血性心疾患、弁膜症など)と混同しやすいです。
- 2. 正解。NYHA分類(New York Heart Association Classification)は、心不全患者の身体活動とそれに伴う自覚症状(疲労、呼吸困難、動悸など)の程度によって心不全の重症度をI度からIV度まで分類するものであり、患者の主観的な症状評価が中心となります。
- 3. NYHA I度では、心疾患を有していても、通常の身体活動では疲労、動悸、呼吸困難、狭心痛などの症状は出現しません。正しくは:I度では心疾患を有していても、通常の身体活動では症状を認めません。選びやすい理由:心疾患がある以上、何らかの症状があるだろうという思い込みから選びやすいかもしれません。混同注意:他の軽度な心不全の定義と混同しやすいです。NYHA I度は無症状であることがポイントです。
- 4. NYHA II度では、通常の身体活動では無症状ですが、通常の身体活動よりも軽度の労作、つまり安静時やごく軽い労作では症状は出ません。通常の身体活動で症状が出現します。ごく軽い労作で症状が出るのはIII度以降です。正しくは:II度では、通常の身体活動で疲労、動悸、呼吸困難、狭心痛などの症状が現れますが、安静時には症状はありません。選びやすい理由:段階が進むにつれて症状が軽度な労作で現れると解釈しやすいため、II度で「ごく軽い労作」と誤解しやすいです。混同注意:NYHA III度の定義(安静時には無症状だが、ごく軽い労作で症状が出現する)と混同しやすいです。
- 5. NYHA IV度では、安静時においても心不全症状(呼吸困難や疲労など)が存在し、いかなる身体活動も不快感を伴います。正しくは:IV度では、安静時においても心不全症状が認められ、いかなる身体活動も不快感を伴います。選びやすい理由:重症度が上がるにつれて身体活動が制限されるため、症状がむしろ出にくくなると誤解する可能性があります。混同注意:NYHA I度(心疾患があるが症状なし)や、あるいは治療によって症状が改善した状態と混同しやすいです。
国試ポイント
NYHA分類の目的と各段階の定義を正確に理解しているかが問われる頻出テーマです。特に、各段階で「どのような活動レベルで症状が出現するか」がポイントとなります。定義を丸暗記するだけでなく、その背景にある「自覚症状による重症度評価」という概念を理解することが重要です。
混同注意
NYHA分類は、病態生理学的な重症度分類(例:EF値に基づく分類)や心疾患の原因分類(例:虚血性心疾患、弁膜症)とは異なります。また、症状の具体的な表現(例:『ごく軽い労作』、『通常の身体活動』)が他の段階の定義と混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
今後NYHA分類の問題が出た場合、各段階の具体的な活動レベルと症状の関連性、およびこの分類が「自覚症状」に基づくものであることを確認すると良いでしょう。また、身体活動能力の指標としての位置づけも問われる可能性があります。
関連知識
NYHA分類 I度: 心疾患はあるが、通常の身体活動では無症状。 II度: 通常の身体活動で症状が出るが、安静時は無症状。 III度: 軽微な身体活動でも症状が出るが、安静時は無症状。 IV度: 安静時にも症状があり、いかなる活動も困難。