Wernicke-Mann肢位の特徴で正しい組合せはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第60回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Wernicke-Mann肢位は、上位運動ニューロン障害、特に脳卒中片麻痺に多く見られる特徴的な姿勢です。上肢は肩関節内転・内旋、肘関節屈曲、前腕回内、手関節掌屈、手指屈曲の屈曲パターンを呈し、下肢は股関節伸展・内転・内旋、膝関節伸展、足関節底屈の伸展パターンを呈します。この問題では、下肢の伸展パターンに含まれる「膝関節伸展位」が唯一の正しい選択肢です。
選択肢ごとの解説
- 1. Wernicke-Mann肢位では、肩関節は内転位かつ内旋位をとることが特徴です。正しくは:肩関節が内転している状態選びやすい理由:上肢全体が硬直するため、特定の関節の動きを混同しやすいです。特に「外転」と「内転」は対義語であり、記憶が曖昧だと誤って選んでしまう可能性があります。混同注意:「外転」と「内転」のどちらがWernicke-Mann肢位で生じるのか、あるいは痙縮の影響で一見動かしにくい状態を伸展と誤解する場合があります。
- 2. Wernicke-Mann肢位では、肘関節は屈曲位をとることが特徴です。正しくは:肘関節が屈曲している状態選びやすい理由:下肢が伸展位をとるため、上肢も伸展位と誤解する可能性があります。上肢の痙縮が強い場合、完全な屈曲ではなく中途半端な姿勢に見えることもあり、伸展と混同しがちです。混同注意:下肢の伸展拘縮と上肢の屈曲拘縮を混同し、上肢も伸展位であると誤解する可能性があります。
- 3. Wernicke-Mann肢位では、手指は屈曲位をとることが特徴です。正しくは:手指が屈曲している状態選びやすい理由:手指の伸展は随意運動で、痙縮の影響で動かしにくい状態を伸展と誤解する可能性があります。また、他の疾患との混同も考えられます。混同注意:手指の屈曲位が一般的な「握りこぶし」と異なり、より特定のパターンを示すため、伸展位ではないかと考えることがあります。
- 4. 正解。Wernicke-Mann肢位では、下肢は伸展パターンを呈し、特に膝関節は伸展位をとります。これは痙性によるものです。
- 5. Wernicke-Mann肢位では、足関節は底屈位(尖足)を呈することが特徴です。正しくは:足関節が底屈している状態選びやすい理由:足関節の機能解剖や歩行との関連で、背屈が「正常な機能」のように思われ、Wernicke-Mann肢位の病的状態と混同する可能性があります。混同注意:足関節底屈が尖足であることと、痙性による底屈を正常な背屈と誤認する可能性があります。
国試ポイント
Wernicke-Mann肢位の各関節における典型的な姿勢(屈曲・伸展、内転・外転、回内・回外など)を正確に理解しているかが問われています。特に上肢と下肢で屈曲パターンと伸展パターンが異なることを把握している必要があります。
混同注意
Wernicke-Mann肢位とParkinson病で見られるような屈曲姿勢(前屈姿勢)や、脊髄損傷など他の神経学的疾患に見られる姿勢異常と混同しやすいです。また、上肢の屈曲パターンと下肢の伸展パターンを逆にして記憶してしまうこともよくあります。
次に同じ論点が出たら
次回この論点が出題された場合、Wernicke-Mann肢位を構成するすべての関節の肢位(肩、肘、前腕、手首、手指、股関節、膝、足関節)を正確に記述できるか、あるいは図示されたWernicke-Mann肢位から各関節の異常を読み取れるかが問われる可能性があります。また、Wernicke-Mann肢位が生じる機序や、その肢位が患者の機能に与える影響についても理解しておく必要があります。
関連知識
上位運動ニューロン障害と下位運動ニューロン障害の症状の違い、脳卒中の病態生理と麻痺の回復段階(Brunnstrom's Stages of Motor Recovery)、痙性麻痺の評価と治療、筋緊張亢進の分類(痙縮、固縮など)。