Danielsらの徒手筋力テストによる頸筋・体幹筋のテストで正しいのはどれか。
画像の選択肢を選ぶと答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
選択肢4の体幹伸展の評価では、腹臥位で体幹を伸展させ、検査者は骨盤を固定し、患者は上体を挙上することで重力に抗して運動を行います。これはMMTにおける体幹伸展の段階3の評価方法として適切です。患者が体幹を完全に挙上できれば段階3と評価されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 画像1は頚部屈曲の評価であるが、頚部屈曲は通常、仰臥位で頭部を挙上させることで行われる。画像のように座位で抵抗を加えるのは段階4や5の評価肢位に近いが、患者が抵抗に抗して頭部を保持する様子がないため、段階2と判断するのは不適切である。また、記載されている「段階2」は重力除去位での運動を示すため、重力下でのこの肢位は段階2ではない。正しくは:頚部屈曲の段階2は、側臥位で頭部をベッド面と平行に動かす評価が適切である。画像のような座位での抵抗運動は段階4または5の評価法に類似している。選びやすい理由:頚部の筋力評価という点で部位は合っているため、評価方法の一部が合致しているように見える可能性がある。混同注意:頚部屈曲の評価肢位と各段階の定義、特に重力除去位と重力抗上位の区別。
- 2. 画像2は体幹回旋の評価であるが、体幹回旋の段階4は、座位で上体を回旋させ、抵抗を加えて評価する。画像では、仰臥位で片側の肩甲骨を浮かせているが、これは重力に抗して全可動域を動かす段階3の評価に近い。段階4ではさらに抵抗を加える必要がある。正しくは:体幹回旋の段階4は、座位で回旋運動を行い、検査者が抵抗を加えることで評価される。選びやすい理由:体幹の回旋運動を表しており、一見すると筋力評価の一場面に見えるため。混同注意:体幹回旋の評価肢位と段階3と段階4の基準の混同。
- 3. 画像3は体幹屈曲の評価であり、この肢位は仰臥位で両腕を胸で組んで体幹を挙上させるもので、段階3の評価方法である。しかし、画像では体幹が完全に挙上されておらず、肩甲骨が床から離れた程度に見える。この状態では段階3(重力に抗して全可動域を動かす)と判断するには不十分である。段階3は胸部が水平位から完全に挙上されている状態を指す。正しくは:体幹屈曲の段階3は、仰臥位で両腕を胸で組み、胸部が水平位から完全に挙上できる場合に与えられる。選びやすい理由:体幹屈曲の段階3の評価肢位としては正しいが、図の患者の運動が完全ではないため、誤りであると判断しにくい。混同注意:体幹屈曲の段階3の完全な運動範囲の定義と、部分的な運動との区別。
- 4. 正解。画像4は体幹伸展の評価である。腹臥位で体幹を伸展させ、両手を腰にあてて上体を挙上する肢位は、重力に抗して全可動域を動かす段階3の評価方法として適切である。検査者は骨盤を固定し、患者が完全に体幹を挙上できれば段階3となる。選びやすい理由:正しい評価肢位と段階なので、適切に判断できる。
- 5. 画像5は骨盤挙上(体幹側屈)の評価である。骨盤挙上の段階3は、側臥位で下肢を固定し、体幹を側方へ挙上させることで重力に抗して全可動域を動かす場合に与えられる。画像では、仰臥位で片側の股関節屈曲位であり、これは体幹側屈(股関節の代償運動を含む)の評価法としては適切でない。また、記載されている「段階3」との整合性もない。正しくは:骨盤挙上の段階3は、側臥位で下肢を固定し、体幹を側方へ挙上させることで評価される。選びやすい理由:下肢の動きを伴う体幹の筋力評価であるため、一部の要素が似ていると感じる可能性がある。混同注意:骨盤挙上(体幹側屈)の評価肢位と段階3の定義、および股関節屈曲との混同。
国試ポイント
Danielsらの徒手筋力テストにおける各部位の評価肢位と段階判定の基準を正確に理解すること。
混同注意
各運動のMMTの段階と評価肢位を混同しやすい。特に段階3は重力に抗して全可動域で動かせるが抵抗には抗せない状態であり、その際の基本的な肢位を誤解しやすい。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず評価されている部位と運動方向を確認し、その上で提示された画像と段階がMMTの標準的な評価方法と一致しているかを判断する。
関連知識
MMTの段階1〜5の定義(5:正常、4:抵抗に抗して動かせる、3:重力に抗して動かせる、2:重力除去で動かせる、1:筋収縮の触知のみ、0:筋収縮なし)と、それぞれの段階における主要筋の働きを関連付けて覚える。