70歳の男性。脳卒中による右片麻痺。現在のADLは次のとおりである。食事は普通食を先割れスプーン使用で自立、整容は自立、更衣は自立。トイレは部分介助、入浴は部分介助。背臥位から自力で起き上がり端座位保持可能だが、車椅子への移乗は監視が必要。移動は車椅子にて自立。排便や排尿は時々失禁がある。Barthel Indexの得点はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
バーセルインデックスは、以下の10項目について評価します。 1. 食事:普通食を先割れスプーン使用で自立 → 10点 2. 整容:自立 → 5点 3. 更衣:自立 → 10点 4. トイレ:部分介助 → 5点 5. 入浴:部分介助 → 5点 6. 移乗(ベッド-車椅子):背臥位から自力で起き上がり端座位保持可能だが、車椅子への移乗は監視が必要 → 5点 7. 移動:車椅子にて自立 → 15点 8. 排便:時々失禁がある → 5点 9. 排尿:時々失禁がある → 5点 したがって、合計点は 10 + 5 + 10 + 5 + 5 + 5 + 15 + 5 + 5 = 55点となります。
選択肢ごとの解説
- 1. バーセルインデックスの各項目を正確に評価し、合計すると55点となります。35点は、各項目での自立度を低く見積もりすぎた場合の点数となります。正しくは:各ADL項目の自立度に応じたバーセルインデックスの点数を再確認してください。選びやすい理由:部分介助や失禁がある点を過度に重視すると、全体的な点数を低く見積もりがちです。混同注意:各項目の点数配分を誤解している可能性があります。
- 2. バーセルインデックスの各項目を正確に評価し、合計すると55点となります。45点は、一部介助や見守りが必要な項目を適切に評価しきれていないか、誤って点数を減算した場合に考えられます。正しくは:特に移乗や排泄の項目において、部分介助や見守りの評価基準を再度確認してください。選びやすい理由:移乗や排泄の失禁が部分介助と見守りの両方の要素を持つため、点数計算が複雑に感じられるかもしれません。混同注意:「部分介助」や「見守り」がバーセルインデックスのどの点数に相当するか、混同している可能性があります。
- 3. 正解。各項目の評価は以下の通りです。食事:自立(10点)。整容:自立(5点)。更衣:自立(10点)。トイレ動作:部分介助(5点)。入浴:部分介助(5点)。移乗:監視が必要(5点)。移動:車椅子にて自立(15点)。排便:時々失禁あり(5点)。排尿:時々失禁あり(5点)。合計点は 10+5+10+5+5+5+15+5+5 = 55点となります。正しくは:正解です。各項目の評価基準を理解し、正しく合計できています。選びやすい理由:他の選択肢と混同せず、各項目の自立度を正確に把握できています。混同注意:バーセルインデックスの各項目の点数配分を正確に理解していることが示されます。
- 4. バーセルインデックスの各項目を正確に評価し、合計すると55点となります。65点は、部分介助や見守りが必要な項目を自立と評価してしまったり、失禁の頻度を過小評価した場合に生じる可能性があります。正しくは:特にトイレ動作、入浴、移乗、排泄の各項目における「部分介助」や「監視が必要」、「時々失禁」の評価を再度確認し、適切な点数を適用してください。選びやすい理由:患者が多くのADLで自立しているため、全体的に高めに点数をつけたくなるかもしれませんが、介助・監視・失禁の有無を正確に反映する必要があります。混同注意:「部分介助」と「自立」の区別、および「監視」がバーセルインデックスでどの点数に該当するかを混同している可能性があります。
- 5. バーセルインデックスの各項目を正確に評価し、合計すると55点となります。75点は、ほぼ全ての項目を自立またはごく軽度な介助と評価した場合に該当する点数であり、本事例の患者の状態とは異なります。正しくは:特にトイレ動作、入浴、移乗、排泄の各項目において、介助や見守り、失禁があるという事実を正確に点数に反映させてください。選びやすい理由:患者が車椅子で自立移動できる点や、食事・整容・更衣が自立である点から、全体的な機能が高そうに見えるため、点数を高くつけたくなるかもしれません。混同注意:バーセルインデックスの各項目における最高点と、実際に患者が取れる点数との区別ができていない可能性があります。
国試ポイント
バーセルインデックスの各項目の評価基準と点数配分を正確に理解しているかが問われます。特に「部分介助」「監視」「時々失禁」といった表現がどの点数に該当するかを正確に覚えることが重要です。
混同注意
各項目の点数、特に排泄項目(排便・排尿)の「時々失禁」が5点であること、移乗の「監視」が5点であること、移動が車椅子自立で15点であることなどが混同されやすい点です。また、入浴・トイレ動作の「部分介助」と「自立」の境界も間違いやすいポイントです。
次に同じ論点が出たら
バーセルインデックスの合計点から、リハビリテーションプログラムの目標設定や、介護サービスの必要性、退院後の生活環境の調整について検討することができます。例えば、55点という評価から、一部の日常生活動作において介助や見守りが必要な状態であることを踏まえ、残存機能の活用と介助方法の指導が中心となるでしょう。
関連知識
バーセルインデックスはADL評価の国際的な指標であり、患者の自立度を数値化することで、リハビリテーションの効果判定や予後予測に用いられます。点数が高いほど自立度が高く、100点が完全自立です。各項目の点数だけでなく、合計点から患者の状態を総合的に判断する能力も求められます。