血液供給を伴うのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
大腿骨頭靱帯は、大腿骨頭窩から大腿骨頭の小窩に向かう線維帯であり、内部には大腿骨頭動脈(閉鎖動脈の枝)が走行しています。この動脈は、特に乳幼児期においては大腿骨頭への主要な血液供給路の一つとなります。成人ではその寄与は減少しますが、血管が内部を走行しているという点で他の選択肢とは異なります。他の靱帯は関節包を補強する靱帯や、寛骨臼の一部を構成する靱帯であり、大腿骨頭靱帯のような特化した動脈を含有する構造ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 寛骨臼横靱帯は、寛骨臼窩の欠損部を橋渡しする繊維軟骨性の構造であり、関節包外に位置するため、大腿骨頭靱帯のような特異的な動脈からの血液供給は期待されません。正しくは:この靱帯には特化した豊富な血液供給はありません。選びやすい理由:股関節周辺の重要な靱帯であるため、血流が豊富であると誤解されやすいかもしれません。混同注意:股関節周囲の他の靱帯、特に関節内靱帯と混同されることがあります。
- 2. 坐骨大腿靱帯は関節包を補強する靱帯の一つであり、主に股関節の伸展・内旋を制限しますが、大腿骨頭靱帯のような豊富な血液供給は有していません。関節包性靱帯は比較的血管が少ないです。正しくは:この靱帯には特化した豊富な血液供給はありません。選びやすい理由:これも股関節の主要な安定化構造であるため、血流が豊富と勘違いされやすいです。混同注意:他の関節包性靱帯、特に大腿骨頭靱帯と機能や構造を混同することがあります。
- 3. 正解。大腿骨頭靱帯は、内部を走行する大腿骨頭動脈(閉鎖動脈の枝)によって、大腿骨頭の一部、特に幼児期・小児期において血液供給を行っています。成人ではその寄与は低下しますが、血管が存在することは事実です。正しくは:正しい選択肢です。大腿骨頭靱帯は、大腿骨頭動脈を内包しており、特に若年者では大腿骨頭への重要な血液供給路となります。選びやすい理由:血管が通っているという事実を知っていれば正答できます。混同注意:大腿骨頭靱帯自体が関節の安定化に大きく寄与するという認識と、血液供給の経路であるという認識が混同されることがあります。安定化機能は小さいですが、血管は重要です。
- 4. 恥骨大腿靱帯も関節包を補強する靱帯であり、股関節の外転を制限しますが、大腿骨頭靱帯のように特異的な動脈からの豊富な血液供給は有していません。関節包性靱帯は比較的血管が少ないです。正しくは:この靱帯には特化した豊富な血液供給はありません。選びやすい理由:股関節周囲の重要な靱帯であるため、血流が豊富であると誤解されやすいかもしれません。混同注意:他の関節包性靱帯と混同されやすいです。
- 5. 腸骨大腿靱帯は「Y靱帯」とも呼ばれ、人体で最も強力な靱帯の一つであり、股関節の伸展を強く制限しますが、大腿骨頭靱帯のような豊富な血液供給は有していません。これも関節包性靱帯であり、一般的に血管は少ないです。正しくは:この靱帯には特化した豊富な血液供給はありません。選びやすい理由:非常に強力な靱帯であるため、生命活動に必要な血流も豊富だと勘違いされやすいです。混同注意:股関節の安定化における重要性と、血液供給の役割とを混同することがあります。
国試ポイント
この問題は、股関節周囲の解剖学的構造、特に靱帯の機能だけでなく、その内部構造、特に血液供給の経路についての知識を問うものです。単に靱帯の名称と位置を覚えるだけでなく、その特殊な構造と機能まで理解しているかが試されます。
混同注意
股関節周囲の靱帯は多数存在し、それぞれが異なる機能と解剖学的特徴を持ちます。特に「強い靱帯」や「重要な靱帯」という漠然とした認識から、血液供給も豊富であると誤解しやすい傾向があります。大腿骨頭靱帯の関節安定化への寄与は小さいが、血液供給の経路としては重要であるという点を混同しやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が問われた場合、股関節だけでなく、他の関節(例:膝関節の十字靱帯)や体内の重要な組織における「血液供給源」や「血管走行の特殊性」が問われる可能性があります。特定の解剖学的構造とそれに付随する血管の関係性に着目して学習すると良いでしょう。
関連知識
大腿骨頭壊死は大腿骨頭への血液供給障害によって生じます。若年者においては大腿骨頭靱帯内の動脈の重要性が高く、骨折などでこの動脈が損傷すると壊死のリスクが高まります。成人では、外側大腿回旋動脈の枝(上・下支持網動脈)が主な供給源となります。