図のように検者が脛骨内縁をこすりおろす検査を実施した。該当する病的反射はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Oppenheim反射は、脛骨内縁を上から下へ摩擦する刺激によって、母趾の背屈が誘発される反射です。この現象は錐体路障害(上位運動ニューロン障害)を示唆する病的反射の一つであり、設問に示された刺激方法に該当します。他の選択肢はそれぞれ異なる刺激部位や方法で誘発される病的反射です。
選択肢ごとの解説
- 1. Babinski反射は、足底の外側縁をかかとからつま先に向かって刺激した際に誘発される病的反射です。脛骨内縁への刺激とは異なります。正しくは:この刺激で誘発されるのはOppenheim反射です。Babinski反射は足底外側縁への刺激で誘発されます。選びやすい理由:最も有名な病的反射であり、選択肢によく含まれるため、反射に関する問題で安易に選びがちですが、刺激部位を正確に把握する必要があります。混同注意:他の足底刺激による病的反射(Chaddock反射、Gordon反射、Oppenheim反射など)の刺激部位や方法と混同しやすいです。
- 2. Chaddock反射は、外果の下方を弧を描くように刺激した際に誘発される病的反射です。脛骨内縁への刺激とは異なります。正しくは:この刺激で誘発されるのはOppenheim反射です。Chaddock反射は外果下方への刺激で誘発されます。選びやすい理由:Babinski現象の類縁反射の一つとして知られているため、関連性があるように見えますが、刺激部位が異なります。混同注意:Babinski反射や他のBabinski現象類縁反射(Gordon反射、Oppenheim反射など)の刺激部位と混同しやすいです。
- 3. Gonda反射は、足の第4趾を屈曲させ急に離した際に誘発される病的反射です。脛骨内縁への刺激とは異なります。正しくは:この刺激で誘発されるのはOppenheim反射です。Gonda反射は足の第4趾への刺激で誘発されます。選びやすい理由:Babinski現象の類縁反射の一つとして知られているため、関連性があるように見えますが、刺激方法が大きく異なります。混同注意:他の足趾刺激による病的反射(Schaeffer反射など)や、刺激方法が足底や脛骨への刺激と異なるため、混同しやすいです。
- 4. Gordon反射は、腓腹筋を強く圧迫した際に誘発される病的反射です。脛骨内縁への刺激とは異なります。正しくは:この刺激で誘発されるのはOppenheim反射です。Gordon反射は腓腹筋への圧迫で誘発されます。選びやすい理由:Babinski現象の類縁反射の一つとして知られているため、関連性があるように見えますが、刺激部位が異なります。混同注意:Babinski反射や他のBabinski現象類縁反射(Chaddock反射、Oppenheim反射など)の刺激部位と混同しやすいです。
- 5. 正解。Oppenheim反射は、脛骨内縁を上から下へこすりおろす刺激によって誘発される病的反射です。これは上位運動ニューロン障害を示唆し、設問の刺激方法と完全に一致します。
国試ポイント
理学療法士国家試験では、主要な病的反射について、その名称と、反射を誘発するための具体的な刺激部位・刺激方法、そしてその反射が示唆する病態(特に上位運動ニューロン障害)を正確に理解しているかが問われます。図を用いた問題形式では、視覚情報と名称を結びつける能力も重要です。
混同注意
Babinski現象の類縁反射(Babinski反射、Chaddock反射、Gordon反射、Oppenheim反射、Gonda反射、Schaeffer反射など)は、刺激部位や方法がそれぞれ異なるため、非常に混同しやすいです。これらはすべて上位運動ニューロン障害を示唆する重要な病的反射であるため、それぞれの特徴を明確に区別して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出題された際には、まず提示された刺激方法や刺激部位がどの反射に該当するかを特定することが重要です。単に反射の名称を覚えるだけでなく、具体的な図や写真と関連付けて、どの手技がどの反射を誘発するのかを視覚的に結びつけて学習しておくと良いでしょう。また、各反射が上位運動ニューロン障害のどの部位を示唆するか、といった詳細な知識も確認してください。
関連知識
病的反射は、通常は存在しないか、乳幼児期以降は消失するはずの反射が再び出現するもので、中枢神経系の障害(特に錐体路障害、上位運動ニューロン障害)を示唆します。Babinski反射は足底外側縁刺激による母趾の背屈を指し、その他のOppenheim反射(脛骨内縁摩擦)、Gordon反射(腓腹筋圧迫)、Chaddock反射(外果下方刺激)、Gonda反射(第4趾屈曲解放)なども同様に母趾の背屈を誘発するBabinski現象の類縁反射として知られています。これらの検査を正確に実施し、評価することは、神経学的診察において重要です。