Danielsらの徒手筋力テストにおける段階4の検査法で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第54回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Danielsらの徒手筋力テストにおいて、股関節屈曲の検査では、被験者は座位で股関節と膝関節を約90度屈曲させ、検者は膝の近位で大腿を下方へ押さえ、被験者には膝を持ち上げさせ抵抗を加える。この図は被験者の姿勢、検者の固定と抵抗の加え方、および抵抗方向が正しい。
選択肢ごとの解説
- 1. 肩関節屈曲のMMTでは、検者は肩甲帯を固定し、被験者の肘関節付近に抵抗を加える。図では抵抗が手関節に加わっており不適切である。正しくは:抵抗は肘関節の近位に加える。選びやすい理由:肩関節屈曲の運動自体は正しいが、抵抗を加える位置が不適切であるため、細部を見落とすと誤って選択しやすい。混同注意:他の上肢関節のMMTにおける抵抗部位(例:肘関節屈曲では前腕遠位)や、肩関節の他の運動のMMT。
- 2. 肩関節伸展のMMTでは、検者は肩甲帯を固定し、被験者の肘関節付近に抵抗を加える。図では被験者が腹臥位で肩関節を伸展しているが、検者の抵抗方向が上方に向けられており不適切である。伸展動作に抗する抵抗は下方へ加えるべきである。正しくは:抵抗は肘関節の近位に、伸展動作に抗する下方へ加える。選びやすい理由:肩関節伸展の運動自体は正しいが、抵抗の方向が不適切であるため、抵抗の方向を注意深く確認しないと誤って選択しやすい。混同注意:他の上肢関節のMMTにおける抵抗方向や、肩関節の他の運動のMMT。
- 3. 肘関節屈曲のMMTでは、検者は上腕骨を固定し、被験者の前腕遠位部に抵抗を加える。図では検者が被験者の肩甲帯を固定しており、肘関節の屈曲運動に対する固定部位として不適切である。また、抵抗も手関節付近に加わっており、前腕遠位に加えるべき抵抗位置と異なる。正しくは:検者は上腕骨を固定し、抵抗は前腕遠位に加える。選びやすい理由:肘関節屈曲の運動自体は正しいように見えるが、固定と抵抗の部位が不適切であるため、細部を見落とすと誤って選択しやすい。混同注意:肩関節や前腕の他の運動のMMTにおける固定・抵抗部位。
- 4. 正解。股関節屈曲のMMTにおいて、被験者は座位で股関節と膝関節を約90度屈曲させ、検者は膝の近位で大腿を下方へ押さえ、被験者には膝を持ち上げさせ抵抗を加える。この図は、被験者の姿勢、検者の固定と抵抗の加え方、および抵抗方向が正しい。
- 5. 膝関節屈曲のMMTでは、被験者は腹臥位で膝関節を屈曲させ、検者は大腿遠位部を固定し、下腿遠位部に抵抗を加える。図では、被験者が仰臥位で膝関節を屈曲しており、抵抗方向も膝関節屈曲方向と逆向き(伸展方向)ではなく、足関節の背屈方向へ抵抗が加えられているため、膝関節屈曲のMMTとして不適切である。正しくは:被験者は腹臥位で、大腿遠位部を固定し、下腿遠位部に膝関節伸展方向への抵抗を加える。選びやすい理由:下肢の運動自体は行われているが、被験者の体位、固定部位、抵抗部位、抵抗方向の全てが膝関節屈曲のMMTとして不適切であるため、全体像を理解していないと誤って選択しやすい。混同注意:股関節の他の運動や、足関節の運動のMMT。
国試ポイント
徒手筋力テスト(MMT)の各関節運動における正しい肢位、検者の固定・抵抗の位置と方向、および検査段階(特に抵抗を加える段階4, 5)を覚えることが重要である。
混同注意
各関節の運動と、それに対応するMMTの検査肢位、固定・抵抗の部位、方向が混同しやすい。特に、抗重力位と重力除去位の区別が重要である。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合は、まずどの関節のどの運動の検査かを確認し、次に図から、被験者の体位、検者の固定する部位、抵抗を加える部位と方向がそれぞれ適切であるかを確認して判断する。
関連知識
MMTの段階評価(0〜5)の意味。特に、重力に抗して完全な可動域を動かせるが抵抗には抗せない段階3と、中等度以上の抵抗に抗せる段階4、最大抵抗に抗せる段階5の区別。MMTは神経学的な疾患の評価やリハビリテーションの効果判定に用いられる。