昇圧作用を持つのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第61回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・4番
解説
アルドステロンは腎臓におけるナトリウムと水の再吸収を促進し、循環血液量を増加させることで血圧を上昇させます。コルチゾールは糖質コルチコイドであり、血管収縮反応を増強したり、体液量を保持したりする作用によって血圧を上昇させます。インスリンは血糖降下、カルシトニンは血中カルシウム濃度低下、ソマトスタチンは多くのホルモン分泌抑制が主な作用であり、直接的な昇圧作用はありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。アルドステロンは副腎皮質から分泌されるミネラルコルチコイドで、腎臓でのナトリウムと水の再吸収を促進し、循環血液量を増加させることで血圧を上昇させます。これはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の一部として機能します。
- 2. インスリンの主な作用は、血糖値を下げることです。細胞へのブドウ糖取り込みを促進し、血糖降下作用を発揮しますが、直接的な昇圧作用はありません。正しくは:インスリンは血糖値を下げる働きがあります。選びやすい理由:内分泌系のホルモンであり、全身の代謝に影響を与えるため、血圧にも関係があると誤解する可能性があります。ただし、直接的な昇圧作用はありません。混同注意:グルカゴン(血糖上昇作用)、カテコラミン(昇圧作用)
- 3. カルシトニンの主な作用は、血中のカルシウム濃度を下げることです。骨からのカルシウム放出を抑制し、腎臓からのカルシウム排泄を促進しますが、血圧上昇作用は持っていません。正しくは:カルシトニンは血中カルシウム濃度を低下させる働きがあります。選びやすい理由:甲状腺から分泌されるホルモンであり、ホルモンの種類が多い中で作用を混同しやすいかもしれません。混同注意:パラトルモン(血中カルシウム上昇作用)、活性型ビタミンD(血中カルシウム上昇作用)
- 4. 正解。コルチゾールは副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドで、血管収縮反応を増強したり、体液量を保持したりすることで血圧を上昇させる作用があります。慢性ストレス応答や抗炎症作用など、多岐にわたる生理作用を持ちます。
- 5. ソマトスタチンは成長ホルモンや甲状腺刺激ホルモン、インスリン、グルカゴンなど、様々なホルモンの分泌を抑制する作用を持つホルモンです。血圧を直接上昇させる作用はありません。正しくは:ソマトスタチンは、多くのホルモン分泌を抑制する働きがあります。選びやすい理由:多くのホルモン分泌を抑制するという広範な影響力から、血圧にも間接的に作用すると誤解する可能性があります。混同注意:成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、成長ホルモン(GH)
国試ポイント
この問題は、主要な内分泌ホルモンの分泌部位と主な生理作用を正確に理解しているかを問うものです。特に、血圧調節に関わるホルモンの作用を把握しているかが重要です。
混同注意
血圧調節には、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の他にも、カテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)、バソプレシン、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)などが関与しており、これらの作用と混同しやすいです。また、血糖調節やカルシウム調節に関わるホルモンとの違いも理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の論点が問われた際には、各ホルモンの『分泌臓器』『化学構造分類』『主要な生理作用』『過剰症や欠乏症で生じる病態』について、より詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
血圧調節メカニズム(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系、交感神経系、バソプレシンなど)、内分泌系の各臓器(副腎皮質、膵臓、甲状腺など)から分泌される主要ホルモンの作用、ホルモンの分類(ステロイドホルモン、ペプチドホルモンなど)。