義肢の写真(別冊No. 2)を別に示す。使われている部品はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第52回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
吸着式ソケットは、ソケット内と断端の間に密閉空間を作り、空気抜き弁を介して空気を排出することで、ソケットと断端を強力に密着させる懸垂方式です。これにより義足の安定性が高まり、歩行時のズレが少なく、断端への負担も軽減されます。選択肢1が指しているのは、大腿義足の懸垂に用いられる吸着式ソケットの構成を指しているため正解です。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。大腿義足において、ソケットと断端の間に空気抜き弁を設け、密着させることで義足の懸垂を安定させる方式を吸着式ソケットと呼びます。この構造はソケットの内面と断端が一体化し、強力な懸垂力と安定した装着感を提供するため、大腿義足でよく採用されます。
- 2. ターンテーブルは股義足において、座位時に下腿部を回転させることで、靴の脱着や体の向きを変える際に利便性を提供する部品です。大腿義足の懸垂とは直接関係ありません。正しくは:ターンテーブルは主に股義足に使用され、座位時の下腿部回転を可能にする部品です。選びやすい理由:義足の構成部品の一つではあるため、知識が曖昧だと選んでしまう可能性があります。混同注意:他の義足部品、特に股義足や膝離断義足で用いられる特殊な部品と混同する可能性があります。
- 3. 多軸膝継手は、複数の回転軸を持つことで、立脚相の安定性と遊脚相のクリアランス確保を両立させる膝継手です。一般的に多節リンク膝と呼ばれ、義足の膝部分の機能であり、大腿義足のソケットの種類ではありません。正しくは:多軸膝継手は義足の膝継手の種類の一つであり、ソケットの懸垂方式とは異なります。選びやすい理由:大腿義足において膝継手が重要な部品であるため、選択肢として魅力を感じるかもしれません。混同注意:膝継手の種類(単軸、多軸など)と、ソケットの懸垂方式(吸着式、ピンロック式など)を混同する可能性があります。
- 4. トルク吸収装置は、義足装着時に発生する断端へのねじれ応力を緩和し、断端皮膚の損傷を防ぐための部品です。足部とソケットの間に取り付けられますが、義足の懸垂方式とは異なります。正しくは:トルク吸収装置は断端へのねじれストレスを軽減する目的で用いられる部品です。選びやすい理由:快適性や皮膚保護に関わる部品であるため、正しい知識がないと選んでしまう可能性があります。混同注意:義足の快適性向上を目的とした他の部品(例:衝撃吸収装置)と混同したり、ソケットの懸垂方式と機能を混同したりする可能性があります。
- 5. ドリンガー足部は、スプリングとヒールバンパーの組み合わせにより、優れた衝撃吸収性とスムーズな歩行を可能にする義足の足部の一種です。これは義足の末端部分の部品であり、ソケットの懸垂方式とは異なります。正しくは:ドリンガー足部は義足の足部の種類の一つであり、ソケットの懸垂方式ではありません。選びやすい理由:足部も義足の重要な構成要素であり、有名な足部であるため知識がある学生は選びやすいかもしれません。混同注意:義足の足部の種類(SACH足部、エネルギー蓄積型足部など)と、ソケットの懸垂方式を混同する可能性があります。
国試ポイント
義肢の部品に関する知識、特に大腿義足のソケットの種類と懸垂方式について問われています。画像から義足の種類(大腿義足)を判断し、その部品が何であるかを正確に識別する能力が必要です。各選択肢の部品がどの義足のどの部位に用いられるのか、その機能は何であるかを理解しているかが重要です。
混同注意
義足の様々な部品の名称と機能、適用部位(大腿義足、下腿義足、股義足など)が混同しやすいポイントです。特に、ソケットの種類、膝継手の種類、足部の種類、および快適性・保護目的の追加部品の区別が重要となります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、まず提示された画像がどのような義足(例:大腿義足、下腿義足)であるかを特定し、次に問題がその義足のどの部分(例:ソケット、膝継手、足部)について問われているかを確認します。その上で、選択肢が示す部品が該当する義足の該当部位の正しい機能や名称であるかを判断します。
関連知識
義足のソケットには、吸着式ソケットの他に、ピンロック式、ライナーとスリーブによる懸垂、ベルト式などがあります。それぞれに特徴があり、患者の断端の状態や活動レベルに応じて選択されます。また、膝継手には単軸、多軸、油圧式、空気圧式などがあり、足部にもSACH足部、エネルギー蓄積型足部など多様な種類が存在します。