全身性エリテマトーデスにみられにくいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第58回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
全身性エリテマトーデス(SLE)の精神神経症状は多岐にわたりますが、頭痛、けいれん、被害妄想、気分の変動は比較的頻繁に報告される症状です。一方、音声チックは、SLEとの直接的な関連性が確立されておらず、精神神経ループスにおいて出現することは極めて稀であるため、「みられにくい」症状として適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. 全身性エリテマトーデス(SLE)による中枢神経ループス病変の一般的な症状の一つであり、頻繁に認められます。無菌性髄膜炎や血管炎、血栓症などが原因となることがあります。選びやすい理由:頭痛は一般的な症状であるため、特定の疾患に結びつきにくいという感覚から、逆に「SLEとは関係ない」と思ってしまうかもしれません。混同注意:単なる日常的な頭痛と、SLEによる中枢神経病変としての頭痛を混同しやすいです。
- 2. 精神神経ループスの重篤な症状の一つとして、けいれん発作は比較的よく見られます。脳炎、脳血管障害、自己抗体など様々な機序で発生します。選びやすい理由:けいれんは非常に重篤な症状であるため、特殊な疾患の症状としてとらえ、SLEで「みられにくい」と誤解する可能性があります。混同注意:他の神経疾患によるけいれん症状との鑑別を誤る可能性があります。
- 3. 精神神経ループスにおける精神病症状の一つとして、妄想(特に被害妄想)や幻覚がみられることがあります。選びやすい理由:精神病症状は診断が難しく、SLEと直接結びつきにくいと感じるかもしれません。混同注意:他の精神疾患による妄想症状との鑑別を誤る可能性があります。
- 4. 正解。音声チックはトゥレット症候群などのチック障害で主に見られる症状であり、全身性エリテマトーデス(SLE)との直接的な関連性や出現頻度は非常に低いです。精神神経ループスで報告される中枢神経症状としては極めて稀な部類に入ります。混同注意:他の不随意運動や、精神神経ループスで稀に報告される非定型的な神経症状との混同があるかもしれません。
- 5. 精神神経ループスにおける精神症状として、うつ状態、躁状態、不安障害などの気分の変動は頻繁に報告されています。選びやすい理由:気分の変動は誰もが経験しうる症状であるため、疾患との関連性を軽視し、「みられにくい」と誤解するかもしれません。混同注意:日常的なストレスによる気分の変動と、SLEによる器質的な気分の変動を混同しやすいです。
国試ポイント
全身性エリテマトーデス(SLE)の主要な合併症である精神神経ループスの症状の多様性と頻度について問う問題です。中枢神経症状と精神症状の両方について、代表的なものを理解しておく必要があります。特に、よく見られる症状と、ほとんど見られない症状を区別できるかがポイントとなります。
混同注意
精神神経ループスの症状は、うつ病や統合失調症などの精神疾患、てんかんなどの神経疾患と症状が類似しているため、鑑別が重要です。また、薬剤性(特にステロイド)の精神症状との鑑別も必要となります。
次に同じ論点が出たら
他の自己免疫疾患(例:血管炎、多発性硬化症)や感染症(例:髄膜炎、脳炎)において、同様の神経精神症状がどのように現れるかを比較検討することで、鑑別診断の能力が深まります。また、各症状がどの程度の頻度で発生するか(高頻度、中頻度、低頻度)を把握しておくことが重要です。
関連知識
SLEは多臓器にわたる自己免疫疾患で、特に精神神経ループスは中枢神経系を侵し、多様な症状を呈します。精神神経ループスは、国際的に19の症状・症候群に分類されており、頭痛、けいれん、精神病(妄想を含む)、気分障害(うつ、躁)などが含まれます。チック症は通常、小児期に発症し、原因は遺伝的要因や環境要因が複合的に関与すると考えられており、SLEとの関連性は確立されていません。