注意障害の検査はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第57回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
TMT(Trail Making Test)は、注意の転換能力、選択的注意、持続的注意、精神運動速度、および遂行機能の一部を評価するために広く使用される神経心理学的検査です。Part Aでは数字の順に点を結ぶことで精神運動速度と持続的注意を、Part Bでは数字と文字を交互に順に結ぶことで注意の転換能力と遂行機能を評価します。したがって、注意障害の検査として適切です。
選択肢ごとの解説
- 1. MASは筋緊張(特に痙縮)の評価尺度であり、注意障害の検査ではありません。正しくは:筋緊張の評価尺度です。選びやすい理由:英語の略語であるため、専門的な認知機能検査の一部であると誤解される可能性があります。混同注意:他の認知機能検査の略語(例:MMSE、ADAS)と混同されることがあります。
- 2. Raven色彩マトリックス検査は、主に非言語性の知能や推論能力を評価する検査であり、注意障害の直接的な検査ではありません。正しくは:非言語性の知能や推論能力を評価する検査です。選びやすい理由:認知機能全般の検査として知られているため、注意機能も含まれると考えるかもしれません。混同注意:ウェクスラー知能検査(WAIS)や、他の知能検査の一部と混同されることがあります。
- 3. Rey-Osterrieth複雑図形検査は、視空間認知、構成能力、視覚記憶を評価する検査であり、注意障害の直接的な検査ではありません。正しくは:視空間認知、構成能力、視覚記憶を評価する検査です。選びやすい理由:複雑な図形を模写・再生するため、集中力も必要とされ、注意機能との関連性を想起しやすいですが、主たる評価項目ではありません。混同注意:Benton視覚記銘検査など、視覚記憶や構成を評価する他の検査と混同されることがあります。
- 4. 正解。TMTは、選択的注意、持続的注意、遂行機能、精神運動速度などを評価するための代表的な検査であり、注意障害のスクリーニングや詳細な評価に広く用いられます。正しくは:TMTは注意機能(選択的注意、持続的注意、注意の転換など)を評価する代表的な検査です。
- 5. WCSTは、主に遂行機能(概念形成、認知の柔軟性、問題解決能力、反応抑制など)を評価する検査であり、注意障害の直接的な検査ではありません。正しくは:遂行機能(概念形成、認知の柔軟性など)を評価する検査です。選びやすい理由:遂行機能と注意機能は密接に関連するため、WCSTが注意機能も評価すると考えるかもしれませんが、主眼は異なります。混同注意:他の遂行機能検査(例:ストループ課題)や、前頭葉機能評価に関連する検査と混同されることがあります。
国試ポイント
神経心理学的検査の目的と、それが評価する主要な認知機能について問われています。各検査が何の機能を評価するのかを正確に理解しているかが重要です。特に、よく知られている検査の略語と正式名称、そしてその評価項目を関連付けて覚える必要があります。
混同注意
多くの神経心理学的検査の名称や略語が似ていたり、評価項目が一部重複したりするため、それぞれの検査の主要な評価項目を明確に区別しておく必要があります。例えば、注意と遂行機能、記憶と視空間認知など、関連する複数の機能が問われる検査も多いため、主たる評価機能を見極めることが重要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、主要な神経心理学的検査(WAIS、WMS、MMSE、HDS-R、FAB、ADASなど)の略語と正式名称、およびそれらが評価する主要な認知機能(記憶、注意、遂行機能、言語、視空間認知、知能など)を正確に答えられるかを確認すると良いでしょう。特に、特定の認知機能障害(例:記憶障害、遂行機能障害)に対応する代表的な検査を複数挙げられるように準備することが望ましいです。
関連知識
注意機能には、覚醒、選択的注意、持続的注意、転換性注意、分配性注意などの種類があります。TMT以外にも、注意スパン検査、Digit Span(WAISの一部)、Cancellation Test、PASAT(Paced Auditory Serial Addition Test)などが注意障害の評価に用いられます。また、前頭葉機能との関連も深いです。