超音波療法について正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第53回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
超音波療法における禁忌事項と基本的な物理特性に関する知識が問われています。成長期の骨端線は超音波による成長障害のリスクがあるため禁忌であり、骨セメントは超音波吸収率が高く熱傷のリスクがあるため禁忌です。周波数は深達度に影響し、水中でも温熱効果は期待でき、空気中での照射は効果がありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 超音波の周波数は深達度に直接影響します。周波数が低いほど深部まで到達しやすく、高いほど浅層で吸収されやすい特性があります。正しくは:周波数が低いほど深達度は大きくなり、高いほど小さくなります。選びやすい理由:超音波の出力(強度)が深達度に影響すると考え、周波数の影響を過小評価する可能性があるため。混同注意:超音波の強度と周波数の違い。強度は発生熱量に、周波数は深達度と焦点形成に影響します。
- 2. 正解。成長期の骨端線は未熟な組織であり、超音波の熱作用や機械的作用により成長障害を引き起こすリスクがあるため、禁忌とされています。選びやすい理由:子どもへの安全性に関する一般的な配慮が問われているため、常識的に正しいと判断しやすいです。
- 3. 水中照射は、凹凸のある部位やプローブが接触しにくい部位に有効な方法であり、超音波の機械的エネルギーが熱エネルギーに変換されることで温熱効果は期待できます。水は媒体として機能し、超音波自体の温熱効果を打ち消すものではありません。正しくは:水中での超音波照射でも、温熱効果は期待できます。選びやすい理由:水が冷却効果を持つイメージから、超音波の温熱効果が相殺されると誤解する可能性があるため。混同注意:水が持つ冷却作用と、超音波自体の温熱効果との関係。
- 4. 正解。骨セメントは超音波の吸収率が高く、過度の熱が発生しやすい特性があるため、周囲組織への熱傷や骨セメント自体の劣化のリスクがあるため禁忌とされています。選びやすい理由:人工物を体内に使用している場合のリスクは、超音波療法に限らず、一般的に注意が必要という認識から正しいと判断しやすいです。
- 5. 超音波は空気中では減衰が非常に大きいため、治療効果を得るためにはプローブを皮膚に密着させ、間にジェルなどの媒体を介して使用する必要があります。空気中で離すと治療効果はほとんどありません。正しくは:超音波療法において、プローブと皮膚の間には隙間なく密着させ、専用の接触媒体(ジェルなど)を介して照射します。選びやすい理由:体外衝撃波など、皮膚から離して使用する治療器と混同する可能性があるため。混同注意:超音波療法と、空気中に照射する他の物理療法(例:レーザー、一部の体外衝撃波)の違い。
国試ポイント
超音波療法の基本的な作用原理、禁忌事項、注意点に関する正確な知識が求められます。特に、禁忌事項は様々な物理療法で頻出の論点であり、具体的な状況設定(小児の骨端線、骨セメント)と結びつけて理解しているかが問われます。
混同注意
超音波の物理的特性(周波数と深達度、水中での効果、空気中での効果)について、他の物理療法や一般的な水の性質と混同しやすいです。また、禁忌事項についても、他の物理療法の禁忌と混同しないように正確に覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、超音波の禁忌事項の他の例(悪性腫瘍、心臓ペースメーカー、血栓性静脈炎など)や、各周波数帯(1MHz, 3MHz)の具体的な適用部位と効果の違いが問われる可能性が高いです。また、パルス波と連続波の使い分けや、非温熱効果(キャビテーション、音響流)に関する理解も確認すると良いでしょう。
関連知識
超音波の物理学的基礎(縦波、横波、減衰、吸収、反射)、超音波の生理学的効果(温熱効果、非温熱効果)、他の物理療法の禁忌事項(例:電気療法、温熱療法)。