60歳の男性。パーキンソニズムで、すくみ足を認める。メトロノームを用いた歩行練習により、10 m歩行において、歩行率が120歩/分、歩行速度が0.8 m/秒に改善した。平均的な歩幅はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
歩行の基本的な関係式は「歩行速度 = 歩行率 × 歩幅」です。この問題では、歩行速度が0.8m/秒、歩行率が120歩/分と与えられています。まず、歩行率の単位を「歩/秒」に変換する必要があります。1分は60秒なので、120歩/分 ÷ 60秒/分 = 2歩/秒となります。次に、歩幅を求めるために、この変換した歩行率と歩行速度を式に代入します。歩幅 = 歩行速度 ÷ 歩行率 なので、0.8m/秒 ÷ 2歩/秒 = 0.4m となります。これをセンチメートルに換算すると、0.4m × 100cm/m = 40cmが平均的な歩幅となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 計算ミスにより、正しい値よりも小さい誤った歩幅が算出されています。正しくは:正しい計算は、歩幅(m)= 歩行速度(m/秒)÷ 歩行率(歩/秒)です。歩行率120歩/分は2歩/秒なので、0.8m/秒 ÷ 2歩/秒 = 0.4m = 40cmとなります。選びやすい理由:歩行速度を歩行率(分単位)で割ったり、単位変換を忘れたりすると、この値に近くなる可能性があります。例えば、0.8を120で割るような単純な間違いや、逆に歩数を歩行速度で割ってしまうなどの誤解。混同注意:歩行速度、歩行率、歩幅の単位と計算式の関係性を混同している可能性があります。
- 2. 歩行速度と歩行率の単位を秒で揃える計算の際に、どこかでミスが生じた結果、正しい値よりもわずかに小さい誤った歩幅が導き出されたと考えられます。正しくは:正しい計算は、歩幅(m)= 歩行速度(m/秒)÷ 歩行率(歩/秒)です。歩行率120歩/分は2歩/秒なので、0.8m/秒 ÷ 2歩/秒 = 0.4m = 40cmとなります。選びやすい理由:計算の途中で小数点以下の処理を間違えたり、単純な計算ミスからこの値になる可能性があります。混同注意:歩行の各指標間の正確な換算方法や計算過程を誤解している可能性があります。
- 3. 正解。歩行速度(0.8m/秒)と歩行率(120歩/分)が与えられており、歩幅を求めるには、まず歩行率を「歩/秒」に変換します。120歩/分は120 ÷ 60 = 2歩/秒です。次に、歩幅(m)= 歩行速度(m/秒)÷ 歩行率(歩/秒)の式に当てはめると、0.8m/秒 ÷ 2歩/秒 = 0.4mとなります。これをセンチメートルに変換すると40cmになります。
- 4. 計算ミスにより、正しい値よりも大きい誤った歩幅が算出されています。特に、歩行率の秒単位への変換を誤ったり、掛け算と割り算を取り違えたりした可能性があります。正しくは:正しい計算は、歩幅(m)= 歩行速度(m/秒)÷ 歩行率(歩/秒)です。歩行率120歩/分は2歩/秒なので、0.8m/秒 ÷ 2歩/秒 = 0.4m = 40cmとなります。選びやすい理由:例えば、歩行速度(0.8m/秒)を歩行率(120歩/分)で割る際に、60で割るべきところを掛けたり、逆に掛けたりするような計算ミス。混同注意:歩行速度、歩行率、歩幅の関係性を示す基本的な計算式を正確に理解していない可能性があります。
- 5. 計算ミスや単位変換の誤りにより、実際の歩幅よりもかなり大きな値が導き出されています。例えば、歩行率を秒単位に変換し忘れて計算したり、公式を間違えたりした可能性があります。正しくは:正しい計算は、歩幅(m)= 歩行速度(m/秒)÷ 歩行率(歩/秒)です。歩行率120歩/分は2歩/秒なので、0.8m/秒 ÷ 2歩/秒 = 0.4m = 40cmとなります。選びやすい理由:0.8を1.6(120を60で割るのではなく、逆に0.8に60を掛けてから120で割るような誤解)で割るなど、大きく計算を間違えるとこの値に近づく可能性があります。あるいは、パーキンソン病患者の歩幅が実際にはもっと小さいことから、この「改善後」の50cmという数字を一般的な基準と誤解して選ぶこともあり得ます。混同注意:歩行分析の基本的な計算式、特に歩行率の単位変換を正確に理解していないことや、一般的な健常者の歩幅の目安と混同している可能性もあります。
国試ポイント
この問題は、歩行分析における基本的な指標(歩行速度、歩行率、歩幅)間の関係性を理解し、与えられた情報から必要な値を正確に計算できるかを問うものです。特に、異なる単位(分と秒)間での適切な換算ができるかが重要となります。理学療法士として患者の歩行能力を評価・介入する上で不可欠な知識です。
混同注意
歩行速度、歩行率、歩幅の計算式を正確に覚えていない場合や、歩行率の単位(歩/分と歩/秒)変換を忘れたり誤ったりするケースがよく見られます。また、パーキンソン病の患者背景が与えられていますが、これは計算自体には直接影響しないため、情報過多で混乱しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同様の計算問題が出題された場合は、まず「何を求めるのか(例: 歩幅、歩行速度、歩行率)」を明確にします。次に、与えられた情報の単位を確認し、計算に必要な単位(秒やメートル)に統一されているか、または統一する必要があるかを判断します。そして、正確な公式に当てはめて計算します。特に、時間の単位変換(分→秒、秒→分)は間違いやすいので注意が必要です。
関連知識
歩行周期、ケイデンス(歩行率)、ストライド長、ステップ長、二重支持期、単一支持期といった歩行分析の基本用語とその定義。健常者の各指標の平均値や、疾患(例: パーキンソン病、脳卒中など)による歩行特性の変化。メトロノーム歩行などのリズム聴覚刺激がパーキンソン病患者の歩行に与える影響。