関節リウマチの槌指による中足骨頭部の疼痛に対する装具で最も適切なのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第59回理学療法士国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
槌指のような足趾変形や関節リウマチによる前足部の変形では、中足骨頭が突出して地面との接触圧が高まり、疼痛(中足骨頭痛)が生じやすくなります。メタタルザルパッドは、足底の中足骨頭直前に配置され、中足骨幹部を上方に持ち上げることで、中足骨頭部への荷重を分散し、疼痛を軽減する効果があります。これは、過度な荷重がかかる部位を保護し、足底の圧分布を正常化するための最も直接的で効果的な装具介入です。
選択肢ごとの解説
- 1. 中足骨頭部の痛み軽減には直接寄与しません。踵の高さ調整は、脚長差の補正やアキレス腱の緊張緩和、踵骨棘などによる踵の痛みに用いられます。正しくは:脚長差を補正したり、アキレス腱の緊張を緩和したい場合に選択されます。選びやすい理由:足部の装具という点では関連性があるため、漠然と足部全体の問題と捉えると選んでしまう可能性があります。混同注意:脚長差補正、アキレス腱炎に対する荷重軽減、足底筋膜炎の治療などと混同しやすいです。
- 2. 足部の外側への安定性を高めるもので、中足骨頭部への特定の圧力軽減効果はありません。主に足関節の外側不安定性や回外足の安定化に用いられます。正しくは:足関節の不安定性を改善し、回外傾向のある足の安定性を高めたい場合に選択されます。選びやすい理由:足部の安定化を目的とする装具の一つであり、足全体の問題に対する選択肢として誤って選ばれる可能性があります。混同注意:内側フレアヒール(回内足の安定化)、トーマスヒール(内側縦アーチの支持)など、他の足部安定化装具と混同しやすいです。
- 3. 足部の内側への安定性を高めるもので、中足骨頭部への特定の圧力軽減効果はありません。主に扁平足や過回内足の安定化に用いられます。正しくは:扁平足や過回内足による不安定性を改善し、内側への足部の安定性を高めたい場合に選択されます。選びやすい理由:足部の安定化を目的とする装具の一つであり、足全体の問題に対する選択肢として誤って選ばれる可能性があります。混同注意:外側フレアヒール(回外足の安定化)、逆トーマスヒール(通常は内側アーチサポートの強化)など、他の足部安定化装具と混同しやすいです。
- 4. この装具は、足部の内側縦アーチの支持を強化するトーマスヒールに対して、逆の機能(例:外側への支持強化や踵骨の軽度内反補正など)を持つものですが、中足骨頭部の圧痛を直接的に軽減する目的では使用されません。正しくは:踵骨の軽度外反変形を補正し、足部外側への体重移動を促進したい場合や、内反足の傾向がある場合に選択肢となりえます。選びやすい理由:「トーマスヒール」という名称から、何らかのアーチサポートや足部変形に対応する装具であると推測し、関連性があるように感じてしまうかもしれません。混同注意:トーマスヒール(内側縦アーチの支持、過回内の抑制)と混同しやすいです。
- 5. 正解。槌指では、中足骨頭部が過度に床面に押し付けられ、疼痛が生じやすくなります。メタタルザルパッドは、中足骨頭の近位に配置することで、中足骨頭にかかる圧力を分散・軽減し、痛みを緩和する効果があります。
国試ポイント
関節リウマチや足部変形(槌指、外反母趾など)に起因する前足部痛に対する装具療法の適切な選択を問う問題です。特に、中足骨頭部への局所的な圧力軽減が必要な場合にどの装具が有効かを理解しているかが試されます。
混同注意
「アーチサポート」や「トーマスヒール」など、足部全体の支持や回内・回外のコントロールを目的とする装具と、中足骨頭部の局所的な圧分散を目的とする「メタタルザルパッド」の役割を混同しやすいです。それぞれの装具がどの部位に作用し、どのような目的で使用されるのかを明確に理解する必要があります。
次に同じ論点が出たら
今後、同様の問題が出た際には、まず「痛みの部位」と「痛みの原因となる足部変形や病態」を特定します。その上で、どの装具がその部位への「局所的な圧力軽減」や「特定の機能改善」に最も効果的かという視点で選択肢を評価することが重要です。特に、前足部痛の場合はメタタルザルパッドやロッカースライダーが、アーチの問題の場合はアーチサポートやトーマスヒールが考慮されます。
関連知識
関節リウマチにおける足部変形(外反母趾、槌指、扁平足など)とそのメカニズム。足底板の各パーツ(アーチサポート、ヒールウェッジ、メタタルザルパッドなど)の機能と適応。中足骨頭痛(メタタルジア)の原因と治療法。荷重分散の原則。